遠藤保仁が「ルーティン」をもたない深い理由

「今、この瞬間」に集中するための思考

サッカー遠藤保仁選手の発想術に迫ります(撮影:佐藤亮)
ビジネスの世界でもスポーツの世界でも、ルーティンにこだわる人は多い。しかし、サッカー日本代表の国際Aマッチ出場数最多記録保持者である遠藤保仁選手(新刊に『「一瞬で決断できる」シンプル思考』)は「あえて」ルーティンをもたないという。いったいなぜか? 遠藤選手に聞いてみた。

ふだんの生活の中で、ルーティンをもっている人も多いと思います。仕事に関係するところでは、「毎朝、通勤は同じ時間、同じ車両に乗る」「朝いちばんの仕事はメールの返信から」といった感じでしょうか。

スポーツ選手の中には、ルーティンにこだわりがある人も多いという話を耳にします。代表的なのは野球のイチロー選手でしょう。朝食のメニューから球場入りする時間、ストレッチの仕方まで一定のルーティンがあるといいます。打席に入るときも、屈伸運動をしたり、バットを立てたり、袖を上げたりといった動作もルーティンと言われていますよね。

サッカー選手でもルーティンを大事にする選手は少なくありません。ピッチに入るときは必ず右足から入るという人もいるし、テーピングをするタイミングが決まっている人もいる。また、試合前のストレッチは毎回、同じ順序、回数、時間ですることを徹底している選手もいる。日本代表の長谷部誠選手も、著書『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』によると、「1日30分、心を鎮める時間をつくる」など、いくつかのルーティンをもっていると書いています。

しかし、僕は昔からルーティンをもったことがありません。

テレビなどで僕が試合のハーフタイムにシャワーを浴びるのを見た人の中には、あれはルーティンではないのかと思う人がいるかもしれませんが、シャワーは熱くなった体をクールダウンし、精神的にもリフレッシュするのが目的です。野球のピッチャーが登板後に肩やひじをアイシングする感覚に近いと思います。

もし監督から「ハーフタイムにシャワーを浴びるな」と言われれば浴びるのをやめるし、それならそれであきらめがつきます。

ルーティンにとらわれてしまう!?

僕がルーティンをもたないのは、どんな状況下でもベストのパフォーマンスを発揮したいから。ルーティンをもってしまうと、それができなくなった場合、リスクのほうが上回ると考えています。

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