就活解禁前からできる保護者の支援は、もっと身近なところにもあります。たとえば、報道番組やドキュメンタリーなどのなかから、子どもが関心のあるジャンルや業界に関する番組を一緒に見て、感想を交換しあうことです。
ニュースや新聞で報道されている、社会のできごとについて会話をしてみると、こうしたことを通じて、保護者と自分、社会人と学生の感じ方の違いを知ることができます。また自分らしさや自分の関心の高いところを自覚することもできます。時事問題に対する知識も深まります。
昨今の就活では、採用する企業側が普段の姿をみたい、という志向に変わってきています。1~2回の面接で選考決定していいのかという問題意識もあり、日常生活のマナーなども含めて学生を多面的に見ようとしています。食事の所作やイスを戻す、靴をそろえる、などの日常動作が身についていないと、がっかりするという声をよく耳にします。
これこそ家庭生活のシーンの中で保護者がやってあげられる支援。言葉のクセやあいさつの仕方、敬語の使い方など、気づいたら注意して教えてあげることもよいでしょう。ただ理想は、身近に暮らす保護者の場合は、日常生活の中で自ら手本を示すこと。挨拶の仕方や食事のマナーなど、人としてあるべき姿を見せ、マナーを習慣化させることも、価値のある応援の仕方ではないでしょうか。
進路を決めるのは本人であること
就活中のエントリーシートや面接はもちろん、社会に出てからも、「自分は何者か」を説明するシーンは多々あります。いわゆる自己PRです。
自分の強みを伝えるためには自己分析が必要ですが、保護者は本人や他人には見えていない長所を指摘してあげられる存在です。幼い頃からの姿を知っているからこそ、わかる長所を語ってあげることによって、自己理解を深める手助けをしてあげられます。学生も、自分が幼いころから変わらない部分などを聞くと、自分の価値や自分らしさに迷ったときに、納得できるのです。
そして最大の支援は、話を聞いてあげることです。実際、就活中の家族の関与で学生がうれしかったことの1位は、「励まし・癒し・心の支え・聞き役になってくれたこと」でした。
「あまり口を出さずに聞きの姿勢で、弱っているときに励ましてくれた」、「なかなか決まらなくても、プレッシャーをかけることなく応援してくれた」など、保護者が聞き、励ます姿勢が嬉しかったと、内定を決めてから振り返る学生が多くいます。どんなときも、自分の話に耳を傾けてくれる人がいるだけで、大きな心の支えになるのです。
さまざまな支援の形がありますが、なにをするにしても、自分の進路を決めるのは本人であるということを念頭に、本人に寄り添うことを第一に考えて応援してあげたいですね。
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