開場と同時に続々と参加者が集まり、開会の10分前にはほぼ満席。2019年卒シーズンに向けた就職説明会が活況を呈しています――。
と言っても、学生向けの話ではありません。各大学が行っている、「保護者向けの就職説明会」の話です。私はこうした“保護者ガイダンス”に講師として招いて頂くことも多いのですが、どの大学のどの会場もほぼ同じ状況です。男性の参加者も多く、男女比率は半々ほど。夫婦と見られる姿もまれではありません。また学生本人と一緒に参加されているケースもあります。
「わが子だけ決まらない」は避けたい
今年、10月1日時点での大学生の就職内定率(文部科学省・厚生労働省調べ)は、75.2%。1996年の調査開始以来、過去最高値を記録しています。求人意欲も依然として高く、就職環境は順風のように見えるのに、保護者ガイダンスの参加者が年々増えているのはなぜでしょうか。
参加者からは、「就職を取り巻く環境がよい状況だからこそ、我が子だけ結果が出ないと、大いに追い込まれてしまうのではないか」や、「就職できても早々に離職してしまい、キャリアが積みあがらないような事態にならないか」といった、強い不安の声が聞かれます。
今の学生は大学受験に至るまでのさまざまな競争を保護者が伴走してきた世代です。ガイダンスに参加する保護者からは、就職もサポートしてあげたいという気持ちを感じます。しかし、子どもに何か話をしようと思っても、予備知識がないと会話にすらならないため、現状に対する共通理解をもっておきたい、という思いが強いようです。
では、まずこれから就職活動を進める2019年卒の学生がどんなスケジュールで動いていくのかを、ざっとご説明しましょう。
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