就活ペアレンツがしてあげられる、4つの支援 おカネを出し、長所をほめ、子に寄り添うべし

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就活の倍率についても、現実と認識がズレがちです。求人倍率自体、企業規模でまったく違います。実は大卒者向け求人の56%は従業員数300人未満の中小企業によるもの。求人倍率が高く売り手市場と言われていますが、内訳を見ると、大手企業の求人倍率は低く、ほぼ変わっていません。中小企業の求人によって上下動しているのです。

リクルートワークス研究所が発表する大卒求人倍率調査の最新データ(2018年卒)では、2018年卒の300人未満の中小企業の求人倍率は6.45の高水準ですが、5000人以上の超大手企業の求人倍率は0.59にとどまります。つまり希望者の6割しか入れません。超大手を志望する学生にとって、狭き門であることは変わりないのです。

このように産業構造自体が変化し、サービス業にシフトしていたり、超大手企業はなお求人倍率が低い、といった現状を見ずに、当時の価値観を押し付けてしまうのは、一番、子どもの心が離れるパターンです。

実際に学生たちへの調査で、「就活において、家族の関与でつらかったこと、やめてほしいと思ったこと」では、「保護者が知っている企業を受けることを勧めてくる」「内定先を頭ごなしに否定された」、などの声が多数挙がっています。

就活資金は思ったよりもかかる

就活を見守るうえで知っておきたいこと2:おカネがかかる

もう1つ、念頭に置いていただきたいのは、おカネの問題です。昨年就活にかかった総額で最も多かったのは、10万円以上~20万円未満で29.6%、30万円以上かかった学生も13.7%います(就職みらい研究所『就職白書2017』)。

学生はスーツや革靴、バッグのほかに交通費、就職対策本の購入など、出費がかさんでいます。特に、居住地と就活地が離れている場合は、交通費や宿泊費の負担は大です。

就活が短期集中型になったことで、アルバイトとの同時進行がしにくくなり、一時期に大きな出費が集中するのが現状です。

では保護者はどんな支援をしてあげたらいいのでしょうか。

保護者ができる支援1:キラーワードは「おカネ足りている?」

短期集中型スケジュールで、就活生は、毎日が多忙です。一喜一憂しながら走り続けるなか、「結果はどうだった」「今日はどこへ行ったの」と細かく聞かれても、答えられないことや答えたくないこともあります。声掛けにも工夫が必要なのです。

たとえば、保護者から聞いた声掛けの工夫として、「おカネ足りている?」というものがあります。このように声をかけてもらうことで、おカネが足りなくなるという状況を理解してくれていると感じるのです。「足りてないんだよね。だって実は今日こんなところに行ってね」というような話のきっかけにもなりやすいようです。

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