法人版マイナンバー導入で何が変わるのか 企業にも番号が付与。そのメリットは?

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2016年から法人版のマイナンバー(共通番号)制度が開始される。といってもピンとこない人が多いかもしれない。

マイナンバー制度は、国民一人ひとりに番号を割り振って、所得や納税実績、社会保障に関して一元的に管理するというものだ。今年5月に「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)が成立したが、もっぱら個人を対象とした制度として話題となっていた。

だが、この制度は個人だけでなく法人も対象としている。マイナンバー法の58条では「国税庁長官は、法人等に法人番号を通知する」と規定され、法人番号の付番対象が次のように列記されている。

(1)国の機関および地方公共団体、(2)登記所の登記簿に記録された法人等、(3)法令等の規定に基づき登記のない法人、(4)国税・地方税の申告・納税義務、源泉徴収義務、特別徴収義務、法定調書の提出義務を有する、または法定調書の提出対象となる取引を行う法人、である。要するに、一般企業はすべて法人番号が付く対象となるのだ。

法人番号を導入することによって、財務省や国税庁をはじめとした行政機関は事務作業の効率化を図ることができる。ただ使い道はそれだけではない。消費税引き上げに伴って、現在議論されている食料品などの生活必需品を対象とした軽減税率が導入された場合、課税される事業者が発行する税額記載の明細書(インボイス)を利用して軽減税率の確定が行われる可能性がある。その際、明細書を発行した事業者を特定するためには法人番号を使うのが合理的で、それがないと軽減税率の導入自体が難しいといわれている。

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