物流最終戦争~ヤマトも危うい消耗戦~ 新次元の競争が始まった

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王者・ヤマトも安泰ではない

ただ、日本の物流業界の変化は世界的に見ればコップの中の嵐だ。企業のサプライチェーンのグローバル化と新興国の成長に伴い、フェデックス、DHL、UPSなど世界的な物流企業はこの10年で飛躍的に業績を伸ばしている。

近い将来、TPP(環太平洋経済連携協定)などの自由貿易協定ネットワークが広がれば、アジアには国際物流の巨大な需要が生まれる。そうした変化に対応できる日本企業がどれだけ育っているだろうか。

ヤマト、佐川などはアジアでの宅配事業などにチャンスを求めるが、中国でも地元企業が急速に力をつけてきている。日本企業に残された時間はそう長くはない。

今、脚光を浴びている当日配達が、本当に消費者が望んでいることなのかにも実は疑問符がつく。通販業者間のスピード競争の帰結だが、実は市場ニーズはそこにはない可能性もある。

王者ヤマトといえども、ネット通販に振り回される消耗戦で生き残れる保証はない。アスクルやネットスーパーなど、物流業界の外でも新たな物流インフラが育ち始めた。物流最終戦争は、業種も国境も越えた、これまでとは次元の異なる戦いになるだろう。

(週刊東洋経済2013年9月28日)

週刊東洋経済編集部
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