物流最終戦争~ヤマトも危うい消耗戦~

新次元の競争が始まった

業種の垣根を越えた新次元の競争が始まる

ネット通販業界では、産直業者やメーカーの通販を囲い込む動きが活発だ。アマゾンのマーケットプレイスや楽天のスーパーロジスティクスといったサービスがその典型だ。

そのための有力な施策が、自前の物流センターによる、仕分けや梱包など物流関連サービスの提供だ。まさに、9月から本格化するバリュー・ネットワーキング構想の下、ヤマトが中小通販などに提供しようとしているサービスと同じである。中小業者を自らの陣営に呼び込もうという狙いは共通だ。

その観点からは、「アマゾンや楽天も、われわれにとっての競争相手になる可能性がある」(ヤマトグループで企業向け物流を手掛けるヤマトロジスティクスの池田隆・取締役クイック通販ロジカンパニープレジデント)。物流をめぐる戦いは業種の壁を越え、局面によっては顧客企業といえどもライバルになる。

ネット通販がこうした分野に乗り出し、彼らの使う物流センターが急ピッチで増設されている。アマゾンが9月に世界最大級の物流センターを神奈川県小田原市で稼働させたほか、楽天も今後2年ほどで全国に六つの大型物流センターを新設する。

ネット通販の成長で物流不動産が活性化

もともとこうしたセンターを使うのは、ほとんどがサードパーティ・ロジスティクス(3PL)と呼ばれる、荷主から包括的な物流業務を受託する企業だった。だが、昨年からはネット通販のためのセンターが顕著に増え始めた。

「08年のリーマンショックでオフィスや住宅の資産価値が暴落したのをよそに、物流不動産の分野では09年から一部で賃料の引き上げが始まっていた」(物流施設大手、GLPの帖佐義之社長)。もともと底堅かった市場が、ネット通販という成長分野(下図)を取り込んだことでさらに活性化してきた。

最近は外資の流入も勢いを増している。ネット通販の拡大がもたらす奔流は、物流業界のみならず、周辺の業種をも巻き込んで大きな変化を生み出している。

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