日本能率協会が2013年に調査した「ビジネスパーソン1000人調査」(第1回)によると、「仕事内容と職場環境どちらを重視するか」という問いに対して、20代などの若手社員は職場環境を重視する割合が高いのに対し、年齢を経るごとに仕事内容を重視する割合が増えています。また、「個人裁量の職場かチームワーク重視の職場のどちらの職場で働きたいか」という問いに対しても、若者世代(20代)のほうが「チームで仕事」をすることを好む比率が高くなっています。
このように、仕事に対する考え方や重視していることが全く異なる状況では、制度や待遇といった「ハード面」だけではなく、現代の若者の特徴に合わせた「ソフト面」を整備することが企業には求められています。
空前の売り手市場で採用難となっている企業にとって、せっかく採用した新入社員を定着させることは、採用以上に重要なことではないでしょうか。
新入社員が辞める会社にある共通点
長年、短期離職した第二新卒のキャリアカウンセリングを行っていると、3年以内で新入社員が辞めてしまう会社には、いくつかの共通点があることがわかってきました。今回はそのような企業の特徴をタイプ別に挙げていきます。
これから就職、転職をしようと考えている求職者の方には、会社選びの参考にもなると思います。現在受けている会社、自分が働いている会社がこれらの特徴に合てはまっていないか、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
また、新入社員がすぐ辞めてしまい、その理由がわからないとお悩みの人事担当者や経営者の方は、自社の状況と照らし合わせていただけたらと思います。
1.「見て覚えろ!」「とにかくやれ!」スタイルの会社
・そもそも教育の優先順位が低く、そのための時間や工数をかけていない
・昭和気質な「見て覚えろ!」という教育スタイルのため、仕事を覚えられない新人が続出
・目的を説明せず「とにかくやれ!」と指示するため、モチベーションが保てない
このタイプは、中小規模の会社や、平均年齢が高い会社に多く見られます。教育の優先順位が低いため、教育工数をあまりかけていません。とにかく先輩の仕事を「見て」「やれば」、新人は仕事ができるようになると、会社や教育担当者は考えています。
このような会社では、教育担当の社員が自分の業務を優先し、新人への教育にあまり時間を割かないため、仕事を教えているというよりも、「ただ横にいて仕事を見せている」という状況になりがちです。
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