ピーチを救い出した後には、ある仕掛けによって、これまで回ってきたすべての国に大量のパワームーンやアクションステージが追加される。それには簡単なものもあれば難しいものもある。
本当は以前から存在していたのに、プレーヤーが発見できなかったパワームーンも見つけることができるようになるだろう。以前は見つけられなかったパワームーンを見つけられるようになったのは、ピーチを救い出す長い旅の途中で、プレーヤー自身が成長した証拠である。一通りゲームに触れて、世界の見方に慣れると、これまでは見えなかった隠れた通路や、ちょっとしたアクションの工夫で行ける場所が見つかるものである。
パワームーンをたくさん集めると、さらなるお楽しみが待っている。とりあえずは「長い旅の終着点」を目指して頑張ってほしい。そこまで行ければ、スーパーマリオ オデッセイを存分に遊んだと言っていいだろう。それでも遊び尽くすのはまだまだ先であるのだが。
「散策のためのステージ」
一通り今回のスーパーマリオ オデッセイのゲーム性を見てきたわけだが、これまでのシリーズとの違いは、これまでが「アクションのためのステージ」で遊ぶゲームだとすれば、スーパーマリオ オデッセイは「散策のためのステージ」で遊ぶゲームであるということだ。
これまでのシリーズではプレーヤーは「キーアイテムを取得する」という目的を持って、ステージをプレイしていた。しかし、今回のシリーズでは確かにその目的は同じなのだが、ステージの端々にまでパワームーンやローカルコイン、そして大量の共通コインというご褒美が用意されているために、いつのまにか「この国を隅々まで観光したい」という気持ちにさせられるのである。そして観光しまくった結果、気づけば必要な数のパワームーンが集まっている。そういうステージ作りに感心させられる。
少なくとも、ピーチ姫をクッパから助け出すまでは、さまざまな個性を持つ国々を楽しく見て回るだけで、十分にスーパーマリオ オデッセイの世界を堪能することができる。だから飛んだり跳ねたりといったアクションの強度が低くても、十分に満足できるのである。
それは熟練のゲーマーを満足させるだけではなく、アクションが苦手な人々をも満足させる事ができる。操作に少しずつ慣れながら、美しい国々を巡るだけで、ゲームに必要なアクションは徐々に身に付いてゆく。
だから、僕がこのゲームをおすすめするのは、熟練のゲーマーよりも、これまで子どもや孫やパートナーの後ろでゲームを見るだけだった人達だ。
昔のような単純なゲームは、後ろで見ているだけでも概ねその意味がわかりやすかった。しかしマシンパワーが強力になり、リッチな表現が可能となった3Dゲームは一見しただけでは何をどうしているのかがわからず、後ろから見ているだけの人を遠ざけてしまっていたように思う。
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