あのメガネチョコが50年も愛され続けるワケ なぜフルタ製菓にはロングヒットが多いのか

✎ 1〜 ✎ 55 ✎ 56 ✎ 57 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
発売以来半世紀、多くの人に親しまれているメガネチョコ(写真:フルタ)

今回はチョコレート菓子のお話です。発売以来半世紀、長く皆様に親しまれているメガネチョコをご存じでしょうか。「正式名称は『ハイエイトチョコ』です。1967年の発売から50年で12億個弱売れました。並べてみると、地球を3周半します」。

発売52年目の「アイデアルチョコ」(写真:フルタ)

そう言うのは、創業65年の大阪市生野区にあるお菓子メーカー「フルタ製菓」の古田盛彦社長です。同社には、この「ハイエイトチョコ」のほか、発売41年目の「セコイヤチョコレート」、発売52年目の「アイデアルチョコ」等、ロングセラー商品が目白押しです。

といっても、後者のアイデアルチョコの名前の由来が、わからない読者もいるかもしれません。この傘型チョコが発売される少し前、「アイデアル」という名の折り畳みジャンプ傘があったのです。そのテレビCMで、無責任男として人気上昇中の植木等さんが「なんである、アイデアル」と言い、その語呂合わせのキャッチコピーが一世を風靡しました。今、傘のアイデアルはなくなりましたが、同社のチョコにその名をとどめています。

名前の由来だった製品がなくなっても売れ続けるお菓子。そして消費者の好みが変わっても売れ続けるお菓子。そんなお菓子を生み出す秘訣はどこにあるのでしょうか。

長寿商品を生む秘訣とは?

古田社長は、ロングセラー商品を生み出すコツを3つ挙げてくれました。

①子ども心をくすぐる仕掛け

この連載の一覧はこちら

50年前、カカオ豆の輸入が自由化され、わが国でもチョコレートが出回るようになりました。フルタ製菓もチョコレートを製造しますが、価格ではどうしても大手にかないません。そこで考えたのが、子どもが喜んで食べてくれる食玩(玩具菓子)の発売でした。

ハイエイトチョコの両端には穴が開いていて、そこに輪ゴムを通すとメガネになって耳にかけることができます。当時から現在まで、メガネをかけて変身するのは、ヒーローものの定番です。このチョコメガネをかけて子どもは悪と戦うヒーローになることができるのです。こうした背景から同社は、テレビ朝日系で放送されているスーパーヒーロータイム(スーパー戦隊シリーズと平成仮面ライダーシリーズ)のスポンサーでもあります。

次ページ2つ目、3つ目は?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事