今回はチョコレート菓子のお話です。発売以来半世紀、長く皆様に親しまれているメガネチョコをご存じでしょうか。「正式名称は『ハイエイトチョコ』です。1967年の発売から50年で12億個弱売れました。並べてみると、地球を3周半します」。
そう言うのは、創業65年の大阪市生野区にあるお菓子メーカー「フルタ製菓」の古田盛彦社長です。同社には、この「ハイエイトチョコ」のほか、発売41年目の「セコイヤチョコレート」、発売52年目の「アイデアルチョコ」等、ロングセラー商品が目白押しです。
といっても、後者のアイデアルチョコの名前の由来が、わからない読者もいるかもしれません。この傘型チョコが発売される少し前、「アイデアル」という名の折り畳みジャンプ傘があったのです。そのテレビCMで、無責任男として人気上昇中の植木等さんが「なんである、アイデアル」と言い、その語呂合わせのキャッチコピーが一世を風靡しました。今、傘のアイデアルはなくなりましたが、同社のチョコにその名をとどめています。
名前の由来だった製品がなくなっても売れ続けるお菓子。そして消費者の好みが変わっても売れ続けるお菓子。そんなお菓子を生み出す秘訣はどこにあるのでしょうか。
長寿商品を生む秘訣とは?
古田社長は、ロングセラー商品を生み出すコツを3つ挙げてくれました。
①子ども心をくすぐる仕掛け
50年前、カカオ豆の輸入が自由化され、わが国でもチョコレートが出回るようになりました。フルタ製菓もチョコレートを製造しますが、価格ではどうしても大手にかないません。そこで考えたのが、子どもが喜んで食べてくれる食玩(玩具菓子)の発売でした。
ハイエイトチョコの両端には穴が開いていて、そこに輪ゴムを通すとメガネになって耳にかけることができます。当時から現在まで、メガネをかけて変身するのは、ヒーローものの定番です。このチョコメガネをかけて子どもは悪と戦うヒーローになることができるのです。こうした背景から同社は、テレビ朝日系で放送されているスーパーヒーロータイム(スーパー戦隊シリーズと平成仮面ライダーシリーズ)のスポンサーでもあります。
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