あのメガネチョコが50年も愛され続けるワケ なぜフルタ製菓にはロングヒットが多いのか

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鯖江市と包括連携協定を結びました(写真:フルタ)

協定第1弾商品として、10月21日から、市内の道の駅で「サバエイトチョコレート」の販売が始まりました。鯖江市の観光地やロゴが入ったパッケージで、ポストカードやメガネスリーブが同梱されています。こちらも売り上げの一部を、鯖江市の観光振興のために寄付する仕組みです。

実は、高島市との包括提携はセコイヤチョコ発売40周年にあたり、鯖江市との包括提携もハイエイトチョコ発売50周年の年でした。つまり、ロングセラー商品だからこそできた記念行事なわけですが、その地位に安住せず、つねに新しいことに挑戦する姿勢もまたすばらしいと思いました。

君は異形のコマーシャルを見たか?

そして新しいといえば、最近始まった同社のCMが話題になっています。胸に「Furuta」の文字をあしらい、商品パッケージをびっしりとプリントしたユニホームをまとった「フルタマン」が登場します。

謎ダンスを披露する「フルタマン」。目には8の字型のハイエイトチョコ(写真:フルタ)

もちろん、目には8の字型のハイエイトチョコ。そして後ろの2人の女性とともに、「フルタイソウ」という謎ダンスが披露されます。

このCMのインパクトが強すぎて、「提供しているTVアニメのストーリーが入ってこない」「フルタマンのひとり勝ち感が否めない」といった声が寄せられています。筆者も同社の公式サイトで拝見しましたが、その斬新さに圧倒されました。見終わると、ただただゆる~い脱力感が残ります。

そういえば同社は、1年ほど前にも「セコイヤチョコレート」発売40年および「エブリワンクッキー」新発売を記念して、伝説的茶人で大名だった古田織部(1543~1615)をCMキャラクターとして使用したことがありました。

「エブリワンクッキー」では古田織部をCMキャラクターとして使用した(写真:フルタ)

カリスマ趣味人織部のアニメが「セコイヤ~ン」「エブリワ~ン」と連呼するという、実にユニークなCMでした。同社によれば、織部を起用したのは同じ古田という名前だったからだそうで、古田社長は「フルタの本気を受け取っていただきたい」と真面目にコメントしています。

この破天荒なCM群と同社のロングセラー商品との関係について論じなくてはいけないのですが、筆者の中ではまだ整理がついていないのが正直なところです。

遊び心、というキーワードも浮かぶのですが、どうもそれだけではなさそう。長寿商品の伝統性とCMの斬新性。この両極端の要素を矛盾なく併存させているところに、同社の奥深さを感じるばかりです。

竹原 信夫 日本一明るい経済新聞 編集長

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たけはら のぶお / Nobuo Takehara

有限会社産業情報化新聞社代表取締役(日本一明るい経済新聞編集長)。1971年3月、関西大学社会学部マスコミ学科卒、同年4月にフジサンケイグループの日本工業新聞社に入社。その後、大阪で中小企業担当、浜松支局記者などを経て、大阪で繊維、鉄鋼、化学、財界、金融などを担当。1990年4月大阪経済部次長(デスク)、1997年2月から2000年10月末まで大阪経済部長。2001年1月に独立、産業情報化新聞社代表に。年間約500人の中小企業経営者に取材、月刊紙・日本一明るい経済新聞を発行している。
 

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