発売以来約20年のチョコエッグは、また別のタイプの長寿商品です。たまご型のチョコの中に精巧なフィギュアが入っているのですが、その人形が毎年、スーパーマリオ、ポケモン、ミニオンズといった具合に変わります。コレクター魂に火をつける仕掛けがあり、子どもだけでなく大人の間でも人気の商品です。
②会社全員による商品開発
「創業以来のなにくそ精神でアイデアあふれる新商品を開発しています。今でも年間約150近い新商品を発売しています」と古田社長。企画開発チームをメインに、社長を含めた経営幹部、スタッフ約600人が一丸となって、新商品を提案します。パートさんも含めた新製品社内コンテストで、社員全員の参加意識、会社の一体感が醸成される効果もあります。
「猫のしっぽクッキー」「シジミ10個分の力」「大人のワサビクッキー」など、どんな味か想像できないものもありますが、皆さん真剣に商品アイデアを提案しています。最近有望なのは「小豆クッキー」。試作品を女性社員に試食してもらうと、「和風でおいしい」「中に小豆の粒が入っていると歯ごたえがあるのでは」など、さまざまな意見が出ます。こうした意見を踏まえ、さらに工夫を重ねて製品化していくことでヒット商品に育っていくのです。
地方創生につながるお菓子作りとは?
最後に古田社長が挙げたのは、お菓子と一見関係なさそうな「地方の元気づくりに貢献する」という考え方でした。
③地域とのコラボレーション
同社のもう1つの看板商品に「セコイヤチョコレート」があります。ウエハースのサクサク感とチョコのくちどけ感を同時に味わえる長寿商品です。発売以来40年、昨年までで累計13億個を売り上げています。
このセコイヤチョコが、滋賀県高島市のメタセコイア並木をイメージさせることから、相互に包括連携協定を結ぶことにしました。高島市マキノ高原のメタセコイア並木は、関西紅葉ランキングでも1位に選ばれるほどの見事な景観です。
その名にちなんだ「マキノ高原限定パッケージセコイヤチョコレート」として、500円、1500円の2種類を地元の土産店などで限定販売しました。発売1年間で市内の売り上げが1500万円を超える勢いです。そしてこの売り上げの一部を、メタセコイア並木の保全やマキノ高原活性化に役立ててもらうよう高島市に寄付しています。まさに、地方創生のチョコレート版です。
冒頭にあげた「ハイエイトチョコ」も負けてはいません。「日本一わかりやすい連携協定」と自賛する包括連携協定を結びました。相手は、福井県鯖江市です。「めがねのまちさばえ」と通称「メガネチョコ」の連携です。なるほど、わかりやすい。
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