ワインの作法、今さら聞けない基本中の基本 接待で株を上げる「店選び」と「マナー」

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⑥ グラスを回しすぎる

ワインを空気に触れさせて香りや味わいを変化させるために行うのが「スワーリング」です。ボトルにずっと閉じ込められていたワインは、空気に触れさせることで酸化が進み、酸味や渋みが丸くなって、味がまろやかになります。ただ、回しすぎはNGです。回せば回すほどおいしくなるわけではないからです。目安は2~3回クルクル回す程度。また、回す方向は、自分に向けて回すのがマナーです。もしワインがこぼれても、周囲の人にかからないようにするためです。

ついやってしまいがちな「乾杯」

⑦ 乾杯のときに、グラスをぶつける

ワイングラスは、薄くて繊細なものが多いので、乾杯のときにグラスをぶつけるのは避けたいところです。乾杯のときは、グラスを胸の高さまで持ち上げて、ぶつけることなく、相手の目を見て「乾杯」と言いましょう。

⑧ ワインをもう注がないでほしいときに、「もう結構です」と口に出して断る

「もう十分」というときに、声に出して「もう結構です」などと口に出して断るのはNGです。声に出して断ると、相手やほかの同席者もつられて遠慮してしまいます。もし断るときには、注がれそうになったら、ワイングラスのふちを軽く合図程度に指先で触れるのがスマートです。

⑨ 中途半端なワインの知識をひけらかす

『男のためのハズさないワイン術』(フォレスト出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ついつい相手の興味を引こうと、自分のワインの知識を披露してしまいがちですが、相手の自尊心を傷つけないことが肝心です。自らうんちくを垂れるのではなく、できるだけ相手に話をさせるように会話を広げたいものです。たとえ知っていることでも、「へぇー、そうなんですね!」「知りませんでした」などと受け答えできたらベストです。

また、お店のソムリエを味方につけるうえでも、ソムリエの前であまり中途半端な知識をひけらかすことなく、お店の人やソムリエに話を振って、きちんと説明してもらうのがいいでしょう。

⑩ 女性にワインを注がせる

海外では、女性が男性にワインを注ぐことはNG、マナー違反となります。ただ、ここは日本ですので、ホストが女性、ゲストが男性の場合はOKです。当然ながら、ゲストの女性が、ホストの男性に注ぐことは完全にマナー違反なので、それは絶対に避けたいところです。

竹内 香奈子 ワインコンサルタント、ソムリエ

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たけうち かなこ / Kanako Takeuchi

日本ソムリエ協会認定「ソムリエ」。ワインショップ「mista」店長。パールダッシュ所属。これまで8000人以上にワインを提案し、お店のワインプロデュースは600店舗を超える。現在、業界内外の大型ワインイベントの審査員を務めるなど、消費者のみならず、ワイン業界・飲食業界のプロたちからも助言を求められ、幅広い層にワインのよさを広める活動を行っている。今、業界大注目のワインコンサルタント。「ワインをもっと身近に気軽に飲めるようにする」がモットー。

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