北欧女子は遅くても「19時に帰る」が普通だ 「あなたの我慢は、誰も幸せにしない」

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漫画家 オーサ・イェークストロムさん スウェーデン出身。子どものころ、アニメ『セーラームーン』と漫画『犬夜叉』を知って漫画家になることを決意。スウェーデンでイラストレーター・漫画家として活動後、2011年に東京へ移り住む。 好きな食べ物はラーメン。一番好きなアニメは『少女革命ウテナ』、一番好きな漫画は『ナナ』 。日本再発見コミックエッセイ『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』シリーズで話題になる ブログ:http://ameblo.jp/hokuoujoshi/ Twitter:@hokuoujoshi

スウェーデンには長時間労働をする人はほとんどいません。たまに管理職の人が残業しますが、それでも19時には帰ると思います。

どんなに大好きな仕事でも、1日中そのことばかりしていたら、クリエーティビティーが失われてしまう。例えば、脳は「今日あったこと」の情報を睡眠中に整理するといいますよね。それと同じで、仕事から離れているときに考えがまとまったり、いいアイデアが生まれたりすることって多いはずです。いい仕事をするためには、会社の外に出ること、しっかり休むことが必要だとスウェーデン人は考えます。これもハッピーに生きるコツではないでしょうか。

そういう私は日本に暮らして6年目なんですが、もともと趣味と仕事が重なっているから、漫画ばっかり描いて仕事ばっかりしています(笑)。スウェーデンの友達みたいに、メリハリつけて働けていないので偉そうなことは言えません……!

嫌いな制度・風土に無理に自分を合わせない

日本の女性は本当に頑張り屋だし、真面目だと思います。長時間労働もそうですが、「うちの会社はどうせ変わらないだろう。だったら自分が我慢しよう」って諦めちゃう。でも、それでは何もいいことって生まれないと思うんです。だからといって会社と闘わなくてもいい。一会社員が企業や社会の仕組みを変えるなんて難しいですから、疲れちゃいます。でも、そこから逃げることは簡単じゃないですか?

私の日本人の友達のことを話しますね。彼女はかつて、クリエーティブ系の仕事をしていて、残業は多いけれど給料は良い仕事をしていたんですよ。でも、口を開くといつも会社の愚痴や不満が多かったし、どうも幸せそうではなかった。そこで彼女は思い切ってパートタイムの仕事にチェンジして、できた時間でジュエリーデザインの学校に通い始めたんです。その後は独立してジュエリーデザイナーとしてバリバリ活躍するようになりました。思い切って自分と合わない環境から抜け出して、好きなことで道を切り開いた今では、すごくイキイキしていますよ。

今いる会社が自分に合わないなら、無理に合わせずにそうじゃない場所に行けばいいと思います。合わせる人がいなくなったら、時代に合わないそういう風土・制度だってさっさと無くなりますし、実はそれが世の中を良くするアクションになるかも。日本人は良くも悪くも、周囲の人と合わせる特徴があるから、誰かが事例を作って周囲の人が同じように動き出すと、いい変化も一気に広まるのでは?

ちなみに、私は朝が苦手だし、会社勤めは向いてないタイプ。でも、仕事は大好きだからずっとしていたい。それで今は、ほとんど家で漫画を描く仕事スタイルを自分で選んだわけですが、ほとんどの時間が幸せですね。自分の部屋で好きな音楽聴いて、好きな格好で仕事をするなんて、素敵でしょ? 

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