希望の党、イケメン共同代表・玉木氏の前途 「小池の傀儡か小池離れか、それが問題だ」
こうした課題に対し初代共同代表となった玉木氏は「寛容な改革保守政党として党の立ち位置やカラーを明確にしないと国民の支持は得られない」と力説。当選挨拶では、新たな保守党として、「野党全体をリードしていける党に育てたい」と各議員の協力を呼びかけ、壇上に勢ぞろいした所属議員の真ん中で自ら「ガンバロー」とこぶしを突き上げた。
一騎打ちを演じた玉木、大串両氏はともに東大法学部卒の大蔵省(現財務省)キャリア官僚出身のエリート議員。入省は大串氏が4年先輩で衆院議員としても当選5回で、同4回の玉木氏より一期先輩だ。どちらも政策通で鳴らし、民主党時代から国会での政府追及の花形という共通点がある。10日の服装もどちらもダークスーツに赤系のネクタイで、政治路線以外は似た者同士ともみえる。
大平元首相が遠縁の「八方美人の目立ちたがり屋」
ただ、ただ首相をトップとする現在の自民党のリーダー達をみると、玉木、大串両氏のような「東大・大蔵省」という典型的なエリートは1人もいない。東大・大蔵省の自民党首相は四半世紀前の故宮沢喜一元首相まで遡る。岸田文雄政調会長や石破茂元地方創生相のポスト安倍有力候補だけでなく、「次の次」の呼び声も高い小泉進次郎党筆頭幹事長も東大卒ではない。
いわば、希望の党は学歴からみたリーダー選びでは「3周遅れ」(自民幹部)とみえる。玉木新体制での幹事長候補に取りざたされる古川元久元国家戦略担当相(51)も同じ東大・大蔵省出身で、「ひ弱い受験エリートばかりでは、猛者ぞろいの自民党にはとても対抗できない」(民進党長老)との声も広がる。
そもそも、今回の共同代表選では投票権もなかった前原氏だけでなく、細野、長島両氏ら「本来のリーダー候補」の出番がなかった。希望の党結党とその後の失速・衆院選敗北の責任を取る形で前面に出られなかったためで、48歳と若い玉木氏にとって、人事も含めた今後の党運営は「大舅、小舅に手足を抑えられた傀儡執行部」にもなりかねない。
イケメンでスマートな玉木氏は選挙区でも女性票に支えられて小選挙区で勝ち上がってきたとされる。地元香川県出身の故大平正芳元首相の遠縁とされ、2009年の初当選時には、同元首相の孫娘が秘書として支えた経緯もあり、自民党の「保守本流」の系譜につながる政治家でもある。民進党初代代表の岡田克也元外相の辞任に伴う昨年9月の代表選に立候補し、民進党の若手の顔としてテレビ出演の回数も群を抜いていた玉木氏だが、永田町では「八方美人の目立ちたがり屋」(立憲民主党幹部)と揶揄する向きも少なくない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら