希望の党、帰結が「大民進復活」では酷すぎる 2人の「敗軍の将」の進退に際立つ後味の悪さ
多くの国民が「結局、何も変わらなかった」と嘆息した衆院選の自民圧勝から5日たった27日、選挙の喧騒に代わって、敗北した野党陣営の"戦後処理"ともみえる離合集散騒ぎに永田町の耳目が集中した。右往左往する"渡り鳥"たちによる「止まり木探し」(首相経験者)の混乱だが、怨念と疑心暗鬼も絡み合う耳障りな騒音は当分収まりそうもない。
解散時の高揚からわずか1カ月で「敗軍の将」となった小池百合子・希望の党代表(東京都知事)と前原誠司・民進党代表は、それぞれが生き残った党所属の当選議員からの厳しい責任追及に遭い、釈明に追われた。小池氏が「創業者の意地」で代表続投を宣言する一方、「結果責任」を認めた前原氏は代表辞任の意向を表明したが、同時進行となった27日午後の2つの両院議員総会はどちらも混乱し、後味の悪さばかりが際立った。
当面、国政とは距離を置いて都政に専念する意向の小池氏は27日の両院議員総会で、特別国会では希望の党を率いる共同代表は置かず、暫定措置として幹事長に大島敦前民進党幹事長を充てることで了承した。一方、民進党両院議員総会では前原氏が「一定の方向性を出した上での代表辞任」を表明したことで論議が混乱し、「党存続」を確認した上で、代表辞任と後継代表選出などは週明けの30日に持ち越した。
手のひら返しに殺された「テレビの怪物」
選挙投票日(22日)が近づくにつれて不協和音が拡大して惨敗した希望の党が25日に開いた当選議員による両院議員懇談会は、予想通り大荒れだった。主要テーマはもちろん小池代表の責任問題。3時間を超えたやり取りでは「230人の候補の180人が死んだ、代表辞任は当然」「選挙中に『排除発言』を謝罪すべきだった」など選挙戦を逆風に変えた小池氏の言動への恨み節が続出した。
もちろん「落選は候補者の自己責任、ののしり合うより前を向いて進むべきだ」「反省を糧に"ニュー小池"で頑張って欲しい」との擁護論もあり、小池氏は「創業者としての責任」を理由に代表続投を宣言する一方、「都政にまい進するので国政は国会議員で」と共同代表選びなども当選議員による調整に委ねた。
「選挙は本人の努力」というのが政界の常識だが、懇談会では民進系議員による責任転嫁ともみえる小池批判が相次いだ。これには「これまでの民進党の足の引っ張り合い体質そのもの」(民進長老)との批判もあり、3時間という長丁場にトイレ休憩も取らずにメモを取り続けた小池氏も最後に「民進党はこうやっていたんだ、と客観的に拝見した」とやや呆れた表情で嘆息した。
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