明治大学は「ディズニー留学」で単位も給料も バンカラ校が「女子高生の憧れ」になった理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「切り替えができるなら、どんどん遊べ、と言われました。同僚と遊びに行ったりもよくしていましたし、朝番でしたら夕方以降は時間がありますから、寮に戻って他の留学生たちと一緒にご飯を作ったり、というのも楽しかったですね」

寮にはシステムキッチンがあり、共同のリビングルームもあった。ここで、世界中から来ている留学生たちと一緒にコミュニケーションができたそうだ。

「アジアでは、中国、韓国の学生が多かったです。日本人よりもずっと英語をしゃべれますし、差を感じました。日本人はそもそも少なくて、とても珍しがられました」

接客の仕事では、難しさを感じることもあったという。

「アジア人、日本人の1人として、アメリカ人が求めるホスピタリティに対して何を発揮できるのか、改めて自分自身を問い直すことができたと思っています」

このディズニー留学で得られたものは大きかったと語る。

「積極性という部分が大きく変わったと思います。黙っていると相手には何も伝わらない、というのが海外なんです。私はこう思う、こうしたい、と主張し、時には議論して方向修正していく。そういうことの大切さを強く実感しました」

ディズニーが教えてくれた日本人としてのおもてなし

就職活動の際、面接では必ずディズニー留学の話を聞かれたそうだ。留学で会社選びの軸も変わったと語る。佐藤さんは、いまこそ留学にぜひ行くべきだ、という。

「2020年の東京オリンピックが迫っています。おもてなしという言葉が騒がれていますが、日本人として海外の人を迎え入れなければならないわけですよね。海外からは、とても大きな期待をされています。そこにきちんと応える準備ができているかどうか。精神論的にも勉強としても働くということにおいても、日本人としてのおもてなしを、日本人としてできる準備ができているか」

ディズニーのインターンシップは、その大切さを教えてくれたと語る。

「いまなら東京オリンピックにも間に合います。日本に対する興味津々をひしひしと感じながら、アメリカのおもてなしというものを吸収して日本に帰ってきてくれたら、若い人も日本の大きな力になると思うんです」

明治大学国際日本学部では、ディズニー留学以外にも、2015年度からハワイでのプログラムもスタートさせている。ヒルトン・ワイキキ、アウトリガーリゾーツ、さらには日本航空(カウンターおよび空港業務)、JTBの4社と提携、4カ月ほどのインターンシップを行う。こちらは報酬の出ない行き先もあるという。定員は約20人。

また、来年からはバリ島でのプログラムも始まる予定だ。デンパサールにあるインドネシアの国立ウダヤナ大学と協定を結び、3カ月大学で勉強して、3カ月インターンシップを一流ホテルで行う。こちらも定員は20人を予定。

ディズニー・ワールド、ハワイ、さらにはバリ島でのインターン留学。明治大学は、いまやこんなことをやってくれる大学になっているのだ。だから、女子高生にも大きな人気となっている。

上阪 徹 ブックライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

うえさか とおる / Toru Uesaka

ブックライター。1966年、兵庫県生まれ。早稲田大学商学部卒業。ワールド、リクルート・グループなどを経て、1994年、フリーランスとして独立。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍、Webメディアなどで幅広くインタビューや執筆を手がける。これまでの取材人数は3000人を超える。他の著者の本を取材して書き上げるブックライター作品は100冊以上。2014年より「上阪徹のブックライター塾」を開講している。著書は、『1分で心が震えるプロの言葉100』(東洋経済新報社)、『子どもが面白がる学校を創る』(日経BP)、『成城石井 世界の果てまで、買い付けに。』(自由国民社)など多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事