2017年の一般入試の大きな特徴は、私立大学の志願者が激増したことだ。前年比で約8%増となり、しかも上位から中堅、下位まで、全体的に志願者が増えた。一方で国公立大学の志願者は6年連続減少となる0.2%減だった。ただ、内訳を見ると国立大が前年比0.9%減で、公立大は1.7%増。国立大に比べて、比較的入りやすい公立大の人気は高かった。
2017年に私大志願者が急増した理由
センター試験で総合型の平均点が理系で前年よりダウンし、文系でアップしたことが、文系学部の多い私大に受験生が流れた要因になったようだ。文系の人気が高く理系の人気が低い「文高理低」が続いている。私立大の学部系統別志願者状況を見ると、上位には観光、社会、経済、経営、教養、国際など文系学部が並び、いずれも10%を超える伸びとなった。
トップの観光は前年比87.8%の急増で、東洋大学が国際観光学部を新設したためとみられる。なお芸術、宗教は志願者が少なく、少々の増加でも伸び率が大きくなる傾向にある。
さらに、文部科学省が進める大手私立大の定員厳格化を受け、受験生が併願校を増やしたようだ。地方創生の一環として実施しているもので、大都市圏の私立大が入学者を減らせば、地方の大学に進学する学生が増える、という考えだ。今まで定員の1.2倍まで認めていた入学者を2018年には1.1倍までにする。
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