昨年、今年はその過渡期であり、入学者が減っているが、入学者を減らすのは合格者を減らすことに等しい。昨年は合格者を減らす大手私大が続出したため、一段と厳しくなると見越し併願校を増やした受験生が多かったことで、志願者数が伸びた。
今年の志願者数トップは4年連続で近畿大学だ。14万人を超え、1992年に15万人超えとなった早稲田大学以来、25年ぶりの水準。前年比でも22.5%増と、2万7000人近く志願者が増えた。近畿大学は近年、総合社会や建築、国際と新学部を次々と設置したほか、クロマグロの完全養殖、ウナギ味のナマズなど、研究力の高さも魅力の一つになっている。現在、メインの東大阪キャンパスの整備を行っており、新図書館などが2020年に完成する見込み。改革力と広報力の高さには定評がある。
法政大が2位、志願者数10万人超えは6校に
2位は昨年の5位から躍進した法政大学。昨年初めて志願者が10万人を超えたが、今年はさらに約1万7000人増加し過去最多を更新した。国際文化学部がセンター試験利用入試を始めたほか、受験生に認知の進んだ英語の外部試験利用入試における志願者が増えた。六大学初の女性トップである田中優子総長が保護者に人気ということもあるようだ。
今年は早稲田大学(3位)、明治大学(4位)、日本大学(5位)、東洋大学(6位)までが10万人を超えた。志願者10万人超えが6校となったのは史上初。もっとも、6校の志願者を合計すると70万人を超えており、推定される今年の受験生数66万人を上回る。受験生の併願校がいかに多かったかがわかる。
一方、国公立大トップは、2年連続で千葉大学(65位)。以下、神戸大学(72位)、北海道大学(76位)、東京大学(78位)の順だった。
私立大のほうは、大手の合格者数絞り込みで難化傾向にあり、来年も合格者は減るとみられる。来年も文高理低が続くと、私立大志願者の増加傾向は続き、受験生にとってさらに厳しいものとなりそうだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら