<ミセス・パンプキンからのコメント>
勉強大嫌いの子を勉強させた作戦は
勉強のためのモチベーションといえば、普通、入りたい学校や、この学生さんも指摘しておられるように、なりたい職業の設定だと思うのですが、息子の場合はより大きな熱帯魚の水槽や、そこに入れる熱帯魚の種類を増やすことでした。
最初はグッピーばかりのかわいかった水槽が、1メートル近いアロワナまで入る、種類も豊富な立派な水槽になったので、モチベーションは邪道でしたが、目先の勉強は頑張ったことになります。水槽の電気調節や掃除はひとりで大変なようでした。
このエビで鯛を釣る作戦は、賢い親子のやり方とは思えず、ずっと家庭内極秘条項だと思っていたのですが、息子はいとも簡単に世間に公表してしまいました。しかも今回のアンケート調査では、このようなやり方で勉強させた親御さんもわずかですがいらっしゃって、妙に安心もしました。勉強嫌いな子を勉強させるには、親も大変です。
前にも触れましたが、息子はずっと母親のために勉強していると思っていたのだそうです。そのように思う(思わせた)きっかけに差はあっても、親のために勉強させられていると錯覚している子供は多いようです。
感謝できる子にしか、親の情は伝わらない
高い塾代や授業料も、親のための勉強の代価なら、感謝も起きないというものです。このご時勢に、今回の学生さんのようにお弁当を作ってもらったことにまで感謝されて、それを言葉にできる人など、なかなかお目にかかれるものではありません。とても賢明で精神の豊かな方だとお見受けしました。
高い教育費と手作り弁当に込められた親心。それらに対する感謝とその恩返しのために勉強を頑張った時期もあったとおっしゃいます。教育的、強制的な言葉も恩着せがましい言葉も、親から子へは一切ありませんでしたが、感謝と恩返しで報いたいと思うように育った息子さんはとても立派です。
私が好きな言葉のひとつに、上野動物園の中川志郎元園長の、「親が子を育てるのは情である。子が親をみるのは知である」という言葉があります。今回の学生さんも、まさにこのような親子関係にあると拝察しました。ある時代まではこのような親子関係が普通でしたが、哺乳類の本性を持たないヒトが増えるにつけ、中川元園長は、動物の子育てには人間からみてヒントがいっぱい、と説かれるようになったのです。
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