海洋、新エネで攻める!千代化の野望 千代田化工建設 澁谷省吾社長に聞く

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石油・天然ガス関連プラントのEPC業務(プラントの設計から資材調達、建設に至る一括請負)を主力とする総合エンジニアリングの大手、千代田化工建設。これまで業界トップの日揮の陰に隠れがちだった同社が、ここにきて攻めの経営に転じている。
7月に英国の海洋資源コンサル企業を買収し、海洋エンジニアリングへの本格参戦を表明。さらに水素、太陽熱発電など新エネルギー分野でも壮大な事業構想を描く。4月のトップ就任以降、事業の多様化と新たなビジネスモデル構築を唱える澁谷省吾社長に海洋・新エネ戦略を聞いた。

陸から海洋へエンジニアリングの事業領域を広げる

――7月におよそ100億円を投じて、英国の海洋資源コンサル会社エクソダスを買収しました。

世界的な趨勢を見た場合、石油・天然ガスの新規開発の舞台はすでにオフショア(海洋)が中心になっている。しかし、当社を含む日本の総合エンジは今も陸上でのプラントのみで、こうした変化に対応できていない。実際にやろうとしても、海洋資源開発に関するノウハウがない点が大きなネックだった。今回のエクソダスの買収で知見が得られ、千代田としてオフショアビジネスへ本格的に出ていく態勢が整う。

――エクソダスの事業内容について、詳しく聞かせてください

エクソダスは、海洋資源開発にかかわる専門的な技術・サービスのプロバイダー。地質や物理探査のデータ分析、生産井配置など開発計画のシミュレーションや助言、設備概念設計といった、高度な専門業務を手掛けている。600人のエンジニアを抱え、米エクソンモービルをはじめとする石油メジャー、準メジャーなどと取引がある。

たとえば、石油会社がどこかの権益を買うかどうか検討する際、エクソダスのような専門の会社に地質評価の分析などを依頼する。実際に権益を取得して開発をやる場合も、どういうふうにプランニングするかアドバイスをもらうわけです。

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