研修生たちはこれをきちんと理解していたようで、しっかりと複数形を使って好きな果物の話をしていました。こんな声が聞こえてきました。
○ I like apples. (リンゴが好きです)
△ I like melons.
○ I like strawberries. (イチゴが好きです)
「メロンが好き」なジロウさんも、みんなと同じようにI like melons.と言っていました。ですが実はこれ、間違いなのです。いや、間違いと言うと言いすぎかもしれませんが、通常ネーティブは、
と言います。
なぜかというと、メロンはふつう丸ごとひとつ食べることはないので、「切り分けた」イメージが強いのです。ですから、食品としては不可算名詞(数えられない名詞)で扱うんです。以前話した、a chickenとchickenの違いと同じイメージですね。ですから、I like melons.と言うと、文法的には間違っていないのですが、「丸ごとメロンを何個も食べる」ようなニュアンスになってしまいます。
また、スラングでmelonsは女性の胸のこと(特に大きめなもの)を表すので、まったく違う話をしているようにも聞こえてしまいます。男性のみなさんは、女性に向かってI like melons.なんて言ったら、「セクハラ!」と言われてしまうかもしれませんので注意しましょう。
メロンに限らず「大きいフルーツが好き」と言うときには、sを付けずに不可算名詞で言うのが自然です。
I like watermelon. (スイカが好きです)
I like pineapple. (パイナップルが好きです)
境界線を求めて…
するとカナコさんから「素朴な疑問なのですが……」と質問されたのが、どの大きさの果物からsが付かなくなるのかということ。考えたこともありませんでした……。確かに中間にあるものは、丸ごと食べる人もあれば、切って食べるのが当然という人もあって、その個人差が微妙かもしれませんね。orangesやapplesは明らかにsを付けますが、mango、grapefruitあたりはどちらでもいけそうです。
とりあえず「中くらいの大きさのフルーツはsを付けても付けなくても、どちらでもOKだと思う」と答えました。ただ、筆者も確信まではなかったので宿題にさせてもらって、オフィスに戻ってから同僚のジョンに聞いてみました。
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