営業で伸び悩む人と頭角現す人の決定的な差 地味な1日の繰り返しが大きな結果を呼ぶ

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講演などをすると、若手の営業マンからたまに「どうやったら短期間で成長できますか?」と聞かれることがあります。この質問にはいつも「インプットとアウトプットを繰り返すこと」と返しています。

業界の知識を学んだり、コミュニケーションテクニックを本で読んだりする定期的なインプットは多くの人がすでに実践していることでしょう。一方、定期的にアウトプットしている人には滅多に会いません。たとえば、本で学んだ知識や先輩に教わったことを現場ですぐに使ってみるのも立派なアウトプットです。たまに思い出せなくてしどろもどろになったとしても、定着したか検証しているだけなので気にすることはありません。

この点、テレアポや飛び込み営業はアプローチ件数が多いので、アウトプットの絶好の機会といえます。アウトプットした結果を深掘りすることで、それまで気づかなかった課題が見え、その解決策を見つけ出すことができるようになるのです。

人のモチベーションが著しく下がるタイミングとは、課題がわからないときか、課題がわかっても打ち手がわからないときと相場が決まっています。契約が取れなくて一瞬凹むこともありますが、それは大した問題ではありません。

五里霧中に陥ったときこそ、本当につらいのです。それを防ぐためには、絶えず問い続けることが必要です。インプットとアウトプットを繰り返し、定期的に思考を言語化することがその有効な手段になります。

苦手な分野も「好きではないけどなんとかなるレベル」に

当たり前のことですが、人は誰しも苦手な分野を持っています。そこから逃げるのも1つの手ですが、苦手なら意識的に理論武装をして「好きではないけど、なんとかなるレベルにしておく」という姿勢のほうがより生産的です。

たとえば、「初対面のときにいつも緊張するので飛び込み営業がつらい」というなら、初対面でもなんとかなるレベルにするため、何かしら鉄板トークのネタを持つと効果的でしょう。

私は27歳のときにウェルスマネジメント(資産管理)を学ぶため、シンガポールのビジネススクールに留学しました。ただ、半分は仕事も兼ねていて、東南アジア諸国の金融機関の幹部、現役プライベートバンカー、そして富裕層とのネットワーク構築という重要な使命も担っていました。

とはいえ、英語を流暢にしゃべれなかった私は初対面で自己紹介をすることが大の苦手でした。しかし、自己紹介ができなければネットワーク構築など到底望めません。そこで私は留学して間もないある週末、自分のあらゆることについて一方的に説明できる自己紹介文を書いたのです。いまふうに言えば、起業家が30秒間でビジネスモデルをプレゼンできるようにするという、「エレベーターピッチ」を考えるようなものでしょうか。

ただし、私の書いた「台本」は、最初から最後までしゃべれば15分かかる長文でした。仕事のことやプライベートのこと、自分の過去や目指す夢。初対面のときに相手から聞かれることがあった質問をすべて網羅するくらいの気持ちで台本を書き、ネイティブチェックもしてもらい、それを丸暗記しました。結果、これをつくったおかげで名刺交換の心理的なハードルは劇的に下がりました。

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