「今年の新卒は…」とのボヤキはなぜ多いのか

20~30代が2017年入社組に向ける冷たい視線

当時の人気企業ランキングを見てみると大手の航空会社、広告代理店、メーカー、商社などが並びます。会社単位で業績の不振等でランキング上の上がり下がりはあるものの、大きな変化があるとは思えません。ところが、会社選びの基準で違いが出ていました。マイナビの調査で会社選びの基準を比較してみても、

「やりたい仕事」「働きがい」が2012、2007年

「安定している」「給料のよい会社」2017年

に高い数値を示しています。この違いを生み出しているのが就職活動をしたときの環境ではないでしょうか。中堅+若手の就職活動時期は氷河期(1993年から2005年)と呼ばれる就職活動が困難な時期でした。2005年あたりまで日本ではバブル崩壊後で有効求人倍率は過去最低の状態が続き、就職氷河期という言葉が流行語大賞で特選造語賞を受賞したくらい。そして、2012年あたりはリーマンショック後に再び求人倍率が下落。新氷河期と呼ばれた時期です。

背景には、景気低迷や国際競争の激化で、企業が「優れた人材」だけを採る「少数・厳選採用」へと舵を切っていたことがあります。この両氷河期時代に就職活動した大学生の就職内定率はかなり厳しいものがありました。大手企業を志望する学生は就職活動に追われ、授業やゼミを欠席、採用時期と重なる留学を断念。企業が求める「能力」を磨けないという悪循環に陥って、内定がとれない学生たちは大いに苦悩しました。

こうした就職活動で苦労した世代は、与えられた環境で物事に貪欲に取り組む傾向があります。当時の就職活動でいかに苦労したか。その苦労が必死で仕事に取り組む姿勢=覚悟につながっているのかもしれません。

一方で今年の新入社員が就職活動した時期は、過去最高の売り手市場と呼ばれる状態。就職活動におけるエントリーシート数や訪問数は往々にして例年より少なく、厳選した会社だけに就職活動をした人も多くいたことでしょう。どうしても入社時点で仕事に取り組む「覚悟が足りない」と思われる状況になってしまうかもしれません。

まずは向き合うことから

こうした、就職活動をした環境の違いが、新入社員に対する嘆きになっているとしたら、その責任は新入社員の側にあるとはいいがたいものがあります。また、環境に変化があれば、違った覚悟の新入社員が入社してくると認識すべきでしょう。世代論とは必ずしも言い切れないのです。

さて、新入社員と中堅+若手のギャップを埋めるためにどうしたらいいのか? 当然のことながら双方の歩み寄りがないと、その溝は埋まりません。お互いの仕事に対する価値観を共有して、認識すること。そして、会社の成長のためにお互いがどうするべきか? それを考えて、実行する機会をつくる努力をしていくべきでしょう。最悪なのはお互いの価値観の違いを埋められない溝とあきらめてしまうこと。まずは向き合うことから始めていきましょう。

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