仕事を休みたいとき、最も簡単に利用できるのが「年次有給休暇」(以下、「年休」)です。毎年新たに付与されるものですが、仕事が忙しくて、結局使い切れずに余ってしまう、という方も多いのではないでしょうか。
こうした状況下で、「どうせ使えないなら、会社に幾日分か買い上げてもらいたい」というご意見もあります。年休を買ってもらうことは、はたして可能なのでしょうか。
年休を請求できる権利は、2年で消滅する
年休がどのタイミングで、何日分もらえるかは、会社によってルールが異なります。法律では、入社日から6カ月間継続して働き、全労働日の8割以上勤務した場合に10労働日、それ以降は1年ごとに8割以上の出勤率を満たしていれば勤続年数に応じて与えられることになっています。この日数は、週5日または週30時間以上働く人の場合で、パートタイマーやアルバイトであっても、所定労働日数・時間に応じて年休が与えられます。
たとえば、正社員が入社して2年経っている場合、まったく年休を使っていないとすれば、最初の6カ月で10労働日、その1年後に11労働日と、合わせて21日分の年休を保有していることになります。
ただ、「気づいたら、保有していた年休が消えていた」という人もいます。というのも、年休には時効があるからです。もらえる日数は毎年増えますが、それを使わないでずっと年休を貯め続けることはできません。年休を請求できる権利は、2年間で消滅します。
時効で年休の請求権が消滅してしまうなら、その前に金銭で買い取ってもらえないだろうか、という声を聞くことがあります。これは適法といえるのでしょうか?
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