日本の美術館には、一体何が欠けているのか 欧米で当たり前にやっていることとは?
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欧米は古い建物を「リノベ」してアート化するのも上手
――まず海外の著名な国立の美術館・博物館の事例を2つ紹介します。1つ目は年間680万人が訪れるロンドンの大英博物館です。無料の博物館として有名ですが、もともとは博物学者のハンス・スローン卿のコレクション品を英国が国家として買い、国の蔵書などを加え1759年に一般公開を開始。運営は非政府組織が担い、施設維持費は寄付やグッズ販売で賄われています。同じくロンドンにあるテート・モダンは、発電所をリノベーションして2000年にオープンした現代アートの美術館。やはり入場料は無料で、韓国・現代自動車のスポンサードを受け運営されています。
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野尻:入場料が無料なのはすごいことですが、運営費などの費用はすべてスポンサーフィーなどで賄われているということですか?
大林:常設展は入場料を取りませんが、企画展などは料金を取っています。ただ英国政府のサポートが手厚いですから、運営事情は日本の美術館とはだいぶ違いますね。
――続いて海外の民間美術館の事例です。2015年、イタリアのミラノにオープンしたプラダ財団美術館は、蒸留所だった建物をリノベーションしてできました。
大林:こういう古い建物に現代美術を展示するのがいちばんカッコイイ。新しい美術館を建てることもできるのに、わざわざ古い、違う用途で使われていた建物を買い取って、そこに展示しているんです。
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