年収5000万円女子の婚活がこうも難しい理由 腰掛け希望だった彼女が求める「究極の男性」
藤沢さんの場合、幼少よりリッチな生活を送っていたこともあって、生活レベルを下げることだけは絶対に避けたかった。女性なら誰でもあこがれるであろうブランドもののバッグや洋服やアクセサリー、それに食べたいときに好きなだけ食すことができるおいしい食事を得られない生活は、彼女の人生にはありえないことだった。端的に言えば、豊かな生活を継続して送るための強い物欲が、藤沢さんを仕事に駆り立てる原動力になった。
一方、20代後半で事務職から営業職に転じた本間さんの場合、彼女を突き動かしたのはすさまじいまでの「劣等感」だった。というのも、外資系証券の営業職といえば、東大京大卒が当たり前の超エリートぞろいの世界。彼らと同じ土俵に上った本間さんは、短大卒である自身の身の上とエリートの大きすぎる差異につねに悩まされることになった。
その差を埋めたい一心で努力を積み重ねる本間さんは、いつしか優秀な成績を収める優秀な営業ウーマンへと成長していった。そして、営業職に転身してから十数年後、本間さんが所属する外資系証券会社の幹部社員となるまで、その劣等感が消失することはなかった。
しかし、ここで1つ疑問が残る。彼女たちは社会人として数年働いた後にすぐ結婚して寿退社する青写真を描いていた。しかし、現実にはそうなることはなかった。それはなぜなのであろうか。
変化は恋愛観にも大きな影響を及ぼした
実は、それは彼女たちの勤務環境や年収が変化するにつれて、恋愛観にも大きな影響を及ぼしてきたからだ。端的に言えば、彼女たちが「稼ぐ女」に進化したことによって、恋愛や結婚の対象として男性に求める「条件」もまた同様に進化していった。
働く女性の年収が大きく上昇するとき、男性を選ぶときの観点は3つのステップで変化する。それをキーワードで表すと、
1 スペック
2 権威
3 自分軸
となる。
まず第1のステップは、「スペック」である。これは、たとえば、「経済力がある」とか「海外勤務がある」といった、世の多くの女性が男性に対して持つ一般的かつ普遍的な願望である。
藤沢さんや本間さんも社会人になりたての頃は、「年収1000万円以上の男性と一緒になりたい」とか「ニューヨークでの駐在員夫人として生活したい」といった結婚願望を持っていた。ゆえに、その条件を満たす男性を血眼になって探していた。しかし、彼女たち自身の年収が1000万円を超えると、そうした男性を探す必要性はしだいに薄れていく。自分で稼ぐほうが手っ取り早いと気づいてしまったからだ。
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