三木谷流「スパルタ英語」は小学生に通じるか 楽天の社内公用語化ノウハウを詰め込んだ

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この英語学習教室の最大の特徴は、「反転授業」と呼ばれる学習スタイルだ。子ども向けに限らず、一般的な塾や教室は、まず対面授業で基本の学習内容の説明、反復演習などを行い、生徒は自宅で宿題を解きながら復習する。

だが反転授業の場合は、生徒自身がまず教材を使って自身で学び、わからない部分を整理してから教室に来るという順番で行う。教室では疑問の解消や反復演習、応用に重点を置く。

教室ではアウトプットが中心に

この学習法について、同教室の立ち上げを担当した楽天・新サービス開発カンパニーの伴大樹氏は多くの利点を指摘する。「予習の段階で主体的な勉強の進め方を習得できる。また、授業ではわからない点を先生に自分で聞かなければならないので、疑問点の把握や論点整理、考えを伝える訓練になる。そしてこれらが習慣づけられると、授業では発話の時間を多く取れ、習得スピードが速くなる」。

教室では、テキストの内容の振り返りは前半25分のみ。あとの50分はその日のプレゼンテーションのテーマに沿って各人が準備をしたり、順番にプレゼンを行ったりという、アウトプット中心の構成で進められる。

授業はプレゼンなどのアウトプットが中心となっている。発信する力を重視した構成だ(記者撮影)

子どもが律義に予習をしてくるのかと疑問を持つかもしれないが、その対策も練られている。生徒には予習として、独自開発したアプリ「まなみ~」を使って行う英単語学習が毎週課されるが、これには楽天で長年蓄積されてきたゲーミフィケーション(ゲーム性を盛り込んで効率化する手法)の要素が取り入れられている。

「まなみ~」は英単語の勉強をしながら、ゲーム感覚でキャラクターを収集するというアプリになっている。各レベルのテストをクリアしていくと、そのたびにキャラクターを集めることができ、復習問題をきちんとこなすとレアキャラが出現する場合もある。各自のアプリのトップ画面にキャラを配置したり、壁紙を変えたりして楽しむこともできる。

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