GEの関係者曰(いわ)く、「人材育成などの観点で、ウェルチの手法は時代遅れになった。だから後を継いだジェフリー・イメルトは大幅に軌道を修正せざるをえなかった」。どんな名経営者のやり方も、時代とともに制度疲労を起こしてしまうということなのだ。高尾山も登ったことのない人に、いきなりエベレストに登れという指示は、まったく通用しない。
アメリカの人事系ソフトウエア会社がアメリカ人1000人に対して行った調査によると、ダメ上司のNG行動の上位10は以下のようなものだった。
ダメ上司の10のNG行動
いかがだろうか。「うんうん、当てはまる」と、うなずいている部下も多いのではないだろうか。上司や部下とどうコミュニケーションを取るべきか。これは日本の企業・組織やオフィスワーカーにとって最も関心の高いテーマの一つだろう。しかし、一方で、まだまだ、「あうんの呼吸」「以心伝心」神話を信じ、「コミュニケーション」を体系化・戦略化し、経営の根幹としてとらえる考えはあまりない。「コミュニケーション」は企業の血脈。その停滞は死活問題である。
毎日新聞によれば、布施社長は、初任地の神戸支店に勤務時代、必死にセールスをしながらもなかなかうまくいかなかった。上司に自身の努力を訴えたところ、こう諭されたという。「布施よ、コミュニケーションではどう感じるか、受け手に100%権利があるんだ」。この言葉を、数十年を経て、痛感することになろうとはなんとも皮肉なことだ。しかし、改めて学び取る価値のある教訓だったともいえるだろう。徹底的に相手視点に立つこと。コミュニケーションの要諦はまさにここにある。
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