研修ではrecordの発音の訂正で終わってしまいましたが、スポーツの話をネタに研修生たちに何か教えてあげようと、オフィスに戻ってから桐生選手のニュース記事をいくつか英語で読んでみました。これは次回の研修で教えようと思っているのですが、読者の皆さまにはひと足お先にシェアします。
タロウさんの使ったrecordという単語が記事でもたくさん使われていたのですが、それを読みながら、せっかくなのでよく一緒に使う動詞をセットで研修生たちに教えようと思いついたのです。これは、英語では「コロケーション」といい、自然な組み合わせで使われる単語のセットのことを指します。皆さんも、recordのコロケーションをぜひ覚えて使ってみてください。
まずは「記録を出す」というとき。
Bolt set a world record of 9.58 seconds in the 100-meter dash.
Bolt established a world record of 9.56 seconds in the 100-meter dash.
set、establishなどの動詞がよく使われます。「新記録」と強調してset a new recordのようにnewという形容詞もよく言われますので、一緒に覚えておくといいですね。
「記録を持っている」という場合は?
では次に、「記録を持っている」というときはどうでしょう。
Bolt holds the world record in the 100 meters.
Bolt has the world record in the 100 meters.
Bolt owns the world record in the 100 meters.
hold、have、ownなどの動詞が一緒に使われます。どれも「所有する」という意味を表しています。holdがもっとも一般的ですが、haveやownを使用している記事もありました。
では、「記録を破る」というときはどうでしょうか。
Kiryu broke the national record in the 100-meter sprint.
Kiryu beat the national record in the 100-meter sprint.
Kiryu shattered the national record in the 100-meter sprint.
break、beat、shatterなどがよく一緒に使われる一般的な動詞です。
今回の桐生選手のニュース記事では「これまでの日本記録を破った」という文脈で、この表現がたくさん使われていました。上に挙げた動詞のほかにsmashという動詞もあったくらいです。
「記録を出す」「記録を持っている」「記録を破る」というそれぞれの言い方で、2~3個くらいずつ動詞を覚えておくと便利でしょう。英語では1つの書き物の中で、極力同じ単語を繰り返さないように書くというルールがあります。同じ単語を繰り返せば繰り返すほど、語彙が少ない人が書いた幼稚な書き物という印象になってしまうからです。
ですから、今回の記事のように、何度も「記録を破る」という表現をしなくてはいけないときには、その都度違う動詞を使うというのはごく普通のことなのです。
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