次に紹介する畠山千春さんは、「狩猟女子」としてすでに有名だ。本も出している。秋冬になると、山に入り、イノシシを狩り、自分で解体して、肉を食べる。毛皮はバッグや靴にする。そういう暮らしをしている。鶏を飼って、それを絞めて食べることもある。モグラを食べたこともあるが、柔らかくてうまいという。
だが、狩猟女子としての側面だけが注目されるのは不本意だという。
「私は生活実験家なんです」という。
福岡県・糸島のシェアハウスで行う生活実験
畠山さんは、福岡県の西の端、5年前、糸島の山間部に古民家を借り、リノベーションしてシェアハウス(名称は「いとしまシェアハウス」)にし、夫と2人で管理人をし、シェアメート6人と共に暮らしている。庭には池があり、風流だ。
「結婚していない男女が一緒に暮らすなんて、田舎ではどう思われるかと不安でしたが、テレビドラマでシェアハウスを舞台にしたものがあったので、ああ、シェアハウスって、結婚してない男女が一緒に暮らして恋愛するんでしょ、テレビで見たよって、村の人たちもすぐわかってくれました(笑)」
春夏は、借りた田んぼで米を作る。田んぼの作業はみんなで午前中の空いた時間にする。野菜は農家から安く買う。あるいは以前シェアハウスに同居していた男性が、独立して農家になったので、そこからも買う。
野菜はほんとうに安い! ロードサイドの直売所にも行ってみたが、キュウリが10本で100円くらい。東京の5分の1か、10分の1だ。それから、農家から梅とビワの木を借りて収穫する。収穫したものはパックして友人、知人に通信販売する。もちろん自分たちでも梅酒にしたり、ビワの葉をお茶にしたりする。庭のドクダミもお茶にしたり、薬として使う。塩は海水を煮詰めて作ったもの。みそも自分で作る。体調が悪いときは病院に行かず、薬を飲まず、整体で治す。シェアハウスに整体師の男性が住んでいるのだ。
魚はまだ自分たちでは取っていないので、買って食べることもあまりない。今後は漁もできるようにしたいと夫のコウイチさんは言う。
コウイチさんは東京の世田谷でエスニックレストランのシェフをしていた。畠山さんと東京で知り合い、意気投合し、一緒に糸島に移住したのだ。今の仕事は、韓国の伝統的な床暖房であるオンドルを日本の住宅に広めること。受注し施工する。いとしまシェアハウスもすでにオンドルの工事済みだ。そのほかにも料理のケータリングをし、冬は酒蔵の蔵人もやっている。
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