このタイプの手書きツイートで最も多いのは「恋バナ」です。恋バナといっても、両思いで幸せいっぱいの投稿ではありません。幸せカップルは、リア充な写真をたくさん撮影して「インスタ映え」しているからでしょう。
手書きツイートで語られるのは、元カレへの未練、不倫相手への思い、彼とのセックスなど、知り合いには打ち明けづらい赤裸々な話ばかりです。特に「#不倫」や「#18禁」などのハッシュタグとともに記されている投稿は、Instagramとは思えないアダルトな内容ですが、あくまでもポエムのようにつづられています。
内容が内容だけに「身バレ」が怖いからか、手書きではなく、画像加工アプリやメモアプリにテキストを打ち込んだ画像を使っている人もいます。こうしたスマホで文字を入力するタイプは、「デジタルツイート」と呼ばれています。
際どい内容であっても公開アカウントで投稿されているのは、Instagramは複数のアカウントが使えるからでしょう。投稿主への共感や励ましなど、優しいコメントやいいね!も多く寄せられています。ブログや漫画のように、恋の行方が気になって読んでいる人も多そうです。
手書きツイートをウォッチして楽しむ掲示板が「2ちゃんねる」にあるのですが、張られているリンクをクリックしても、すでにアカウントが消えていることも珍しくありません。恋の終わりとともに閉鎖するのかもしれませんね。
女子中高生にも派生するのか
LINEとTwitterを駆使する女子中高生たちですが、Instagramを始める人も増えています。また、Twitterの「勉強垢」と呼ばれるアカウントを作っている人は、テスト勉強したノートを文房具と一緒に撮影して投稿しています。小学校高学年あたりから、女子は「自分の手書き文字をかわいくする」ことに燃えはじめ、文字の練習をしたり、色つきペンで文章を飾ったりすることに凝るので、中高生が手書きツイートにはまっても不思議はありません。
しかし、若年層のリサーチ結果を発信する「TesTee Lab!」が9月に発表した「手書きツイートに関する調査」によると、「手書きツイート」をしたことがある」と答えた女子高生は6.9%。今は少数派といってもいいでしょう。
中高生はスマホの文字入力に慣れており、画像加工もお手のものです。写真に加工アプリを使って指で手書きして飾ることはありますが、手書きした紙を撮影して投稿する意味がピンと来ないようです。
その一方、Instagramの「#手書きツイート」は執筆時点で約42万件も投稿されています。恋愛や結婚、育児の悩みを誰でもいいから聞いてほしい――手書きツイートからはそんな思いが切々と伝わってきました。ブログやTwitterではなくInstagramがその役割を担っているのは、シェア機能がなく炎上しにくいInstagramが、女性たちの“安全地帯”になっているのかもしれません。
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