息苦しい職場は人の「主体性」を軽視している それでは生産性も士気も上がらない

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「細かく口出しせずに、私に任せてほしい」

そう、メンバーが思っていないだろうか? 全員が「らしさ」を発揮しながら働くには、部下に指示するだけでなく、ある程度の仕事を任せることも重要だ。

「自分でやったほうが早い」「ミスをさせたくない」「何かあったときに責任を取りたくない」

このような理由で権限委譲ができない上司もいるが、それでは部下の主体性は一向に育たない。むしろ、やりがいを求めて転職さえしてしまうことも。さらに、権限委譲が苦手な上司は、なんでもかんでも自分で判断しなくてはいけなくなり、結果自分がストレスを抱えて身動きが取れなくなってしまう。

あなたが上司の立場であれば、怖がらずにある程度の権限や仕事を部下に与えることを意識することが大事。社内の権限規定で決裁権が与えられなくても、以下の2点は意識して、仕事の采配を試みよう。

・目標やゴールを説明したうえで、やり方は任せる

・最初の判断は任せる

ここで注意したいのは、丸投げは絶対NG!ということ。次項で説明する「承認欲求」が満たされず、逆にフラストレーションを引き起こす原因になってしまうことも。部下、そしてチームの主体性を高めるためにも、任せられる仕事は任せる。これが鉄則だ。

逆に、部下の立場であれば、仕事を任せてもらえる人になれるよう自分の得意・不得意を周りに示しておく。自分をよく知ってもらっている状態が作れれば、上司も「○○さんはExcelが得意だから、データ作成を手伝ってもらおう」と仕事を任せやすい。

3つの承認欲求が満たされているか?

「認められたい」

心理学では、この感情を承認欲求と呼ぶ。人間には以下の3つの承認欲求があり、社員の主体性やモチベーションを引き上げるためには、この3つの欲求を満たすことが重要となる。

①結果承認欲求
成果を認めてほしいと思う気持ちのこと。売り上げ目標を達成した。コスト削減を達成した。このような成果に対して、知ってもらいたい、褒めてもらいたい気持ちは誰しも持っている。
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