クレームの電話を取ったときに注意したいのは、「声の大きさ」。お客様の剣幕にビビってしまい、声が小さくなると、「何を言っているのかわからん!」と余計に怒らせることになる。
「声が小さいと、『こいつは気が弱そうだから、何を言っても大丈夫だ』と思われて、お客様がより攻撃的になることも」(津田氏)。自分では声を張っているつもりでも、声が小さいという人も少なくない。気になる人は、周囲の先輩などに、自分の声の大きさはどうか、確認してみよう。
たらい回しは、できるだけ防ぐ
クレームをつけてきたお客様を怒らせる原因としてよくあるのは、「複数の人に何度も同じことを聞かれること」だ。特に電話のクレームのとき、最初に電話に出た人に説明したのに、次に出た人にもう一度最初から説明するということがあると、「何度も同じことを言わせるな!」と、怒りを増幅させてしまう。
クレームをつけてくる人は、担当者などを考慮せずに、電話に出た人に対して、いきなり怒り出すことも少なくない。そんなクレーム電話を受けたときには、あなたが担当者でなくても、その内容をしっかりメモしておこう。それを担当者に伝えることで、大炎上を防げることがある。
また、他部署に案件を転送する際にも、たらい回しにならないよう、回答ができる担当者に的確につなぎたい。そのためには、常日頃から、会社の中で、どの部署がどんな仕事をしていて、誰が対外的な窓口になっているのか、把握しておくことが重要だろう。
クレームを受けたとき、新入社員は、その場で判断できないことのほうが多いだろう。その場合、「少々お待ちください」と言って、お客様を待たせることがあるはずだ。
このときに注意したいのが、「少々」といって、何時間も待たせないことだ。「怒っているとき、お客様は気が短くなるもの。『少々』と言われれば、数分から数十分程度で連絡が来る、と思い込んでいることが少なくありません」(津田氏)。
そんなお客様を数時間待たせれば、イライラをどんどんためこむ。状況が見えないと「放っておかれているのでは?」などと思い込むものだ。ようやく連絡したら、「全然『少々』じゃない!」とキレられる可能性は高い。
このようなミスを防ぐためには、数十分で解決できなければ、「まだ調査しております」などと途中経過を報告することが大切だ。状況が見えれば、少しはお客様のイライラを鎮めることができる。
また、返事を別の同僚やほかの部署からしてもらう場合も、クレーム内容を伝えると同時に、「お客様は返事を急いでいます」「今日中に連絡がほしい」といったような情報も併せて伝えておいたほうがいい。
こうした策を講じても、相手がさらに強硬な姿勢になったり、大きな問題に発展するおそれがあれば、ひとりで抱え込むことはせず、速やかに先輩や上司に判断を委ねたほうがいいだろう。
クレーム対応は一筋縄ではいかないものだが、以上の初歩的なミスをなくせば、少しはお客様を怒らせるトラブルを減らせるはずだ。
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