最近、ささいなことにキレる人が目立つようになった。駅で、街中で、そしてネット上で、相手に難癖をつけ、怒り出す大人たち。ついには、この国の大臣まで記者会見の席でマジ切れをして、怒声を上げ、その後の不適切発言によって辞任に追い込まれる始末だ。
日本人の「怒りに対する耐性」がもろくなっているのかと思ったら、アメリカでもイギリスでも「怒れる人」は増えている。世界中でふつふつと沸き立つ鬱憤のあぶく玉。まるで「怒り」が感情の基本線、デファクトスタンダードになってしまったかのようだ。なぜ、人はこんなにキレるようになったのだろうか。
「消防団員が制服のまま、消防車でうどん店に立ち寄ったのはけしからん」という苦情が市民から寄せられ、愛知県一宮市消防本部は消防団長に対し、注意を促した――。あるタレント女医が、子供がツツジの花を摘んでその蜜を吸う姿をブログで紹介したところ、「公園の花を採るな。器物損壊に当たる」というクレームを受け、この女医は謝罪した――。
「不機嫌な人々」が増加している?
そもそも、なんでこんなことに目くじらや腹を立てる人がいるのか。ネット上では「『怒り』に対する怒り」の輪も広がっているが、確かに、「なんとも世知辛い」事象が相次いでいる。
アメリカでもヨーロッパでも「不機嫌な人々」は多い。2015~2016年のアメリカの各種調査の結果は以下のとおりだった。
また、イギリス・アンガー・マネジメント協会によれば、「イギリス人の80%が『怒りやすくなった』と考えている」という。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら