元鹿島・岩政が語る「勝てるチーム」の思考法 「自分たちのサッカー」とは、一体何なのか
スポーツを伝える"言葉"を探求しようと、毎月1回行われている「ALE14(エイルフォーティーン)」というイベントがある。各スポーツのスペシャリストが、自身の経験から導き出した独自のロジックやメソッド、フィロソフィなどをプレゼンショーの形で披露する。ナビゲーターを務めるのは、元Jリーガーで、スポーツジャーナリストの中西哲生だ。
これまで参加してきたのは、元プロ野球選手の古田敦也、ロンドン五輪卓球団体銀メダルの平野早矢香、北京・ロンドン五輪競泳日本代表の伊藤華英らといった顔ぶれである。
このイベントにサッカー界から登場したのが、元日本代表DFの岩政大樹だ。35歳になった今季は、選手兼コーチとして東京ユナイテッドFC(関東サッカーリーグ1部)に所属している。その岩政が6月にプレゼンしたテーマ――。それは「勝てるチーム、勝てないチーム、どこが違うのか?」だった。
Jリーグの「常勝軍団」鹿島アントラーズの実績
岩政が大卒ルーキーだった2003年から10年間在籍した鹿島アントラーズは、国内屈指の常勝クラブである。アントラーズが獲得した3大タイトル(J1リーグ、リーグカップ、天皇杯)の数は実に19個。2位のガンバ大阪が9個、3位のジュビロ磐田と東京ヴェルディが8個だから、いかに抜きん出た数字かがわかる。
ある時期に優れた選手が揃い、黄金時代と呼ばれる時期を過ごしても、その選手たちが去るとチームが低迷する、というのはよくあることだ。しかし、アントラーズの場合は、そうした浮き沈みがほとんどない。
1993年のJリーグ創設以来、アントラーズがタイトルを獲れなかったのは1993〜1995年の3年間、2003〜2006年の4年間、2013~2014年の2年間だけだ。わずか1年でも無冠に終われば大問題――。それが、アントラーズというクラブなのだ。
なぜ、アントラーズは勝ち続けることができるのか。その謎を解き明かすうえで、岩政が最初に取り上げたのは「自分たちのサッカー」というキーワードだった。
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