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「落ちこぼれ」「吹きこぼれ」がない学校の秘密 1人の生徒が解く問題数は全国平均の4倍!

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スティーブ・ジョブズ・スクール生みの親であるマウリス・デ・ホンド氏は、「学校に関する既成概念をなくし、学習する者にとって最もよい学校の形をつくりたい」として、最新のICT技術を取り入れた21世紀型の教育モデルを追求している。

ちなみにスティーブ・ジョブズの名は、“世界にイノベーションを起こした偉人”として冠したという(オランダでは、レオナルド・ダ・ヴィンチ・スクールなど、学校の理念に沿う偉人の名前を校名にすることがあるとのこと)。

カリキュラムはすべての生徒がiPadを使用することが前提。入学すると1人に1台ずつ支給され、学校内でも家でも、学習に欠かせないツールとなっている。

習熟度別にクラスや科目が自由に選べる(写真:未来教育会議)

徹底した情報端末の活用以上に特徴的なのは、習熟度別にクラスや科目が自由に選べることだ。オランダには日本のように細かい指導要領はなく、小学校卒業時の「到達目標」だけがある。その目標に向けて、スケジュール用の専門アプリを使って生徒自身が自分のカリキュラムをデザインするのだ。

1日の3分の1は自習時間

学習プランは教員のアドバイスを受けながら6週ごとに見直される。各自、それぞれのカリキュラムにのっとって授業を選択するため、年齢別に授業が組まれることはなく、異なる年齢の子どもたちが一緒に学ぶ光景が当たり前。1日の3分の1は自習時間に当てられ、各自で課題に取り組む。情報端末を使いながらの自習はゲーム感覚で楽しく学べ、進捗状況はログに残るため、親も教員もすぐにそれを把握できる。子どものちょっとした変化にも気づきやすく、周囲が効果的にサポートできるようになっている。

休み時間の教室移動シーン。端末で自分が次に行く教室を確認(写真:未来教育会議)

この体制が可能にしているのは、授業についていけずに学習意欲をなくす「落ちこぼれ」と、先に進みたいのにペースを落とさなければならず学習意欲をなくす「吹きこぼれ」をなくすことだ。自分のペースで楽しく学べるため、学習へのモチベーションが維持されやすい。結果的に、1人の生徒が解く問題の総数は全国平均の4倍に上り、高い成績水準が保たれているという。

自習室の様子。授業のない「空きコマ」は自習(写真:未来教育会議)

先端テクノロジーの利点を最大限に生かし、習熟度に応じて個人が柔軟に学習を進められるシステムは、子どもたちにとって間違いなく学校を居心地の良い、“学習しやすい環境”としているようだ。

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【ソーシャルイノベーションを目指す教育機関】

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