「稼げる子」に育てたいなら会計を学ばせよう おカネが動く意味をわかっておけば怖くない
会計を学ぶと「視野」が変わる
そもそも管理会計とは何か。管理会計は、「マネジメントアカウンティング」の和訳で、経営者が適切な経営判断をするための会計のことです。管理とは目標を設定し、統制すること。会計とは、活動を貨幣価値に置き換え、見えないものを見えるようにするツールです。
会計を学んだ人とそうでない人のいちばんの違いは何でしょうか。それは、判断力です。なぜなら、会計を学ぶと、
・俯瞰(ふかん)できる(より広い視点で現状把握できる)
という「会計の眼鏡」を手に入れられます。この「よく見える眼鏡」で物事をとらえ、そのうえで判断を下すため、精度の高い判断になります。
「会計の視点による精度の高い判断力」の一例を挙げましょう。20世紀の初め、アメリカのゼネラルモーターズ(GM)が、過大投資による倒産の危機に直面したとき、社長に就任したアルフレッド・スローンは巨大な会社をシボレー、ビュイック、オールズモビル、オークランド、キャデラックの事業部に分け、それぞれが企業内企業して独立性を保ちながら業績を追求し、最終的には社長がすべてを統制する組織を作り上げました。
ここで用いられたのが、投資したおカネでいくら利益を上げたかを示すROI(投下資本利益率)という経営指標を使った会計手法でした。
ROIとは「利益÷投資金額×100」という式で割り出します。
会社経営で大切なことは、どれだけ投資して利益を稼いだかということです。たとえば、キャデラック部門という高級車を作る事業と、シボレー部門という大衆車を作る事業を比較する場合、生産台数や従業員数ではどちらが儲かっているかはわかりません。
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