一流の経営者は「丁寧な人事」を心掛けている

異動を命じる際には慎重な手続きが不可欠だ

時間をかけて丁寧に人事異動を伝えていくことが重要です(写真 : xiangtao / PIXTA)

銀行の支店長が新任の際にあいさつに来ても、大抵は2~3年で交代していきます。これは、支店長と取引先との、いわば癒着防止のためが主な理由。長い付き合いとなると、そこに理性的な判断を超えた事情も生まれてくる。不正を誘引する状況も生まれてくる。「そういうことで、2~3年で交代するのです」と某銀行の支店長が話をしてくれたことがあります。

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2~3年といっても、いつ交代するのかはわからない。半年かもしれませんし、3年間かもしれません。突然、異動命令が出されます。しかも、1週間前とか、5日前とか、とにかく、すぐに異動しなければなりませんので、大変です。「しかし、銀行に入った以上は、それは宿命ですから、当たり前と思っています」と付け加えていました。どこの銀行も同じでしょう。商品が現金ですから、念には念を入れて、銀行の人事異動は、ある日突然に行われる。当然だと思います。

しかし、「支店長は2~3年で異動が」ということは事前に銀行内に周知されています。これは、ある種の「予告人事」ということだと思います。2~3年で異動ということを当初から認識され、覚悟しているからです。

人事異動は「丁寧に」が大原則

銀行だけでなく一般の会社においても「予告人事」のような形で人事異動を行っているところがあるかもしれません。しかし、突然の人事異動であったとしても、人事異動は丁寧かつ慎重に行うべきだと思います。

異動させたい部下が今の職場をどのように思っているのか、あるいは、異動先の職場をどう考えているのか。そのようなことを何げなく話しながら聞いてみる。あるいは、異動させたいと考えている職場の話をする。「あの職場では今、新しい仕事に取り組むらしい。その適材を探しているようだ」などと話を繰り返していく。

そのうち勘がよければ、本人は異動対象が自分だと思い始める。そのようになったとき初めて「キミ、あの職場に異動してくれないか」と辞令を出す。そのように、時間をかけて人事異動を行うことが基本です。

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