実は私はスマホを使ったことがなく、パソコンも必要に迫られた時にだけ使うという、デジタル機器が苦手な人間です。ですから、麻央さんのブログ「kokoro」も、読んだことがありませんでした。
ところがそんな私の目にさえ何かの拍子に、今から思えば麻央さんが旅立たれる数日前に書かれた、彼女の闘病をあざ笑うコメントが飛び込んできました。それもここで引用するのもはばかれる、文字通り命がけで闘っている彼女を中傷する、胸痛む下品な表現でした。
私が「kokoro」を読まなかったもう一つの理由は、私も同じ病気で身内をたくさん見送っており、何気ない彼女の言葉にも、その奥にある彼女とご家族のご心痛を読んでしまうことに耐える自信がなかったからです。せめて回復がダメでも1日でも長く、穏やかなご家族との生活が続きますようにと祈るだけでした。
腹が立つ人は読まなければいい
麻央さんはガンの痛みや抗がん剤の苦しみと闘い、幼子を残して逝くかもしれない恐怖と闘い、その他さまざまな苦悩を抱えながら、懸命に命と闘っていました。その生き方を嘲笑し、ネットに流すことができるさもしい人がいることに驚き、ショックを受けました。
例えば彼女が旅立たれたあとでは、何とかここで表現できるものとして、「お葬式の後すぐに海老蔵さんが子どもたちを連れて、ディズニーランドへ行った。不謹慎だ」というもの。デマのようですが、たとえ葬儀後すぐに子どもたちを癒すためディズニーに連れて行ったとしても、全然不謹慎ではないと考えます。悲しくないのに喪服を着て悲しいフリをする人の方が、ずっと醜いというものです。むしろディズニー社からこのような子どもたちに、ミッキーたちを派遣してくださればいいのにと願うほどです。
今も海老蔵さんがブログを更新し続けておられることにも、難癖をつけている人がいます。あれはブログを書いた人には解ることですが、書くことで読者と感動等を共有する喜びを得ることができ、その人たちを失望させまいと向上心を持って物事を見る癖がつき、みっともない生き方は出来ないと自身を律し、励ます効用があるのです。今の海老蔵さんには麻央さんを、みなさんと共に忍ぶ行為でもあると想像します。腹が立つ人は、読まなければいいだけのことです。どうか、放っておいてあげてください。
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