華麗なるお受験!インターママは世界狙いだ インターナショナルスクールの内幕とは?
実は、インターに子どもを通わせる親たちは、日本の義務教育システムを無視しているのだ。そのため、区から警告文のような書類が届くのよ、と苦笑いで教えてくれた。
目指すのは、世界のトップ層
インターで学ぶ子どもたちは、日本の義務教育課程を修了していない。それゆえ、日本の高校や大学に進学する資格を得られない。
――そこまでして、なぜわざわざインターに?
我々の質問を予期していたのだろう、エミさんはかぶせるように答える。
「そもそも、東大も早慶も目じゃないってことです」
ぴしゃりと言い切られ、取材班は思わず「はぁ」と間の抜けた声を出してしまった。
ご存知の通り、英国タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)が毎年発表している世界大学ランキングにおいて、東京大学はトップ10にも入っていない。
2016-2017年の順位は、実に39位である。(ちなみに、アジアのトップは中国の北京大学で29位。)
「子どもたちには、小さくまとまって欲しくないんです。広い視点を持ち、世界で活躍できる人材になってもらいたい」
東大や早慶を出ても、世界で活躍できる人材にはなれない。エミさんは続ける。
「息子が通うインターは9年生(日本でいう中学3年生)までしかないので、卒業後は家族でアメリカに移り住み、現地のハイスクールに通わせようと考えています」
子どもの教育のために移住?!
常識では考えられない―。そう思ってしまったが、その常識こそがエミさんの言う「小さくまとまった」人間の思考回路なのかもしれない。
とはいえファミリーで海外移住する日本人家族はもちろん少数。ごく一部の優秀な生徒は、海外のボーディングスクール(全寮制の進学校)に進学、その他は日本国内のインターナショナルハイスクールやアメリカンスクールに進む子どもたちが大半だという。
そして、世界のトップレベル……スタンフォード、オックスフォード、アイビーリーグ*加盟校やMIT**などを目指すのである。
**マサチューセッツ工科大学