遊びだけでは満足できなくなる富裕層の心境

とどのつまり、教育は最大の関心事になる

爆買いを経て、大金持ちはクローズドなコミュニティを形成するようになる。写真はロシアの大富豪アンドレイ・メルニチェンコのスーパーヨット「Sailing Yacht A」だ。全長約142メートル、マストの高さは90メートルにも上る世界最大級のヨットである。ビジネス界から芸能界まで顔の広いメルニチェンコと会うために多くの著名人がこのヨットを訪れるが、パパラッチがゲストを撮影できても、中でどんな話をしているのかまではわからない。

人はある日いきなり大金持ちになるのではない。富裕層の間にも格差があり、段階を踏みながらお金の遣い方を洗練させていくのではないか──。

この企画を始めるに際して、上のような仮説を立てた。その話を金融×IT(FinTechと呼ばれる)を事業領域とするZUU社長の冨田和成さんに言うと、「確かに段階的に洗練されていくのですが、時代に流されない特徴もありますよ」という返事があった。

冨田さんは野村證券のプライベートバンク部門で金融資産10億円以上の富裕層を対象に、資産の運用管理から事業承継までをコンサルティングした経験をもつ。20代で富裕層の世界を見つめてきたのだ。

爆買い富裕層

当記事は「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)の提供記事です

「富裕層の中でも創業経営者は大金を手にするとまず遊びますね(笑)。高級クラブで毎晩飲み明かしたり、高価な服や時計を買い漁ったりと、見栄を張りたがります。お金持ちの段階としては初期の“爆買い”の時期です」

派手に遊べば遊ぶほど、店でも街でも目立つようになる。耳目を集めるようになると、人を引き寄せるようになる。その中には善き友人になる人もいるだろうけれど、多くの場合はそうではない、と。

「こういう“遊び”は長くは続きません。敵ができやすくなるのが理由です。噂を聞きつけたマスコミがこっそり取材に来たり、お金目当てのよからぬ輩が近づいてきたり。遊びが公になった結果、世論を敵に回すこともあり得ますよね」

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