遊びだけでは満足できなくなる富裕層の心境

とどのつまり、教育は最大の関心事になる

お金持ちから大金持ちへとレベルアップし、富裕層はクローズド・コミュニティを形成していく。ただし、大金持ちは閉鎖的なコミュニティに留まり続けるのかというと、人によってはそこから社会へと、みずからを開いていくというから面白い。

節税目的から社会貢献へ

発展段階の最後のフェーズでは、趣味から発したコレクションや資産そのものを社会に還元していく。写真の夫婦は芸術作品のコレクターとして著名なイーライ&エディス・ブロード夫妻。夫のイーライは起業した2社を「Fortune 500」にランクインさせた起業家。70年代にゴッホの作品を購入してから芸術への関心を深め、2015年にはLAに美術館「ザ・ブロード」をオープン。入館料を無料にして、アートの魅力を広く世に伝えている。

富裕層の中でも最上位にある大富豪ともなれば、“爆買い”と“コミュニティ”での成果を社会に還元しようとする人が現れてくる。これを今は“共有”する大富豪と呼びたい。

「大金持ちの多くが、芸術作品やワインなどをコレクションするようになります。趣味を始める動機は節税のためだったり、たんに好きなだけだったりとさまざまなのですが、収集の過程で鑑識眼が養われていくと、本当にその道の才能を発揮する方が出てきます。

そういう方の中から、たとえば芸術なら自分で財団を興して美術館を作る人も出てきます。また、自分でプロ・スポーツ・チームを持つような実業家もいますよね。これも自分の資産で人々を喜ばせるという、広い意味での“共有”かもしれません」

「ただ、趣味嗜好の成果を社会に還元している人のほうが偉いのかというと、それもまた違うとは思います。世の中には匿名でたくさんの寄付をしている大富豪もいますから。これは驚くべきことで、普通は名前を出して寄付をするんですよ。大富豪ともなれば著名にもなっていますから、お金を持っているというだけで羨まれます。だからこそ寄付をして社会に貢献している姿をアピールするのです。ただ、それを良しとしない人もいる、ということですね。“共有”については、やったほうが上で、やらないほうが下、ともいえない」

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