遊びだけでは満足できなくなる富裕層の心境 とどのつまり、教育は最大の関心事になる

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こうしてお金持ちとしてはピヨピヨの雛は慎み深い生活を過ごすようになる……のかというと、話はそれほど簡単には進まない。次の段階で大金持ちたちは“コミュニティ”を形成していくというのだ。

なぜ別荘を買うのか?

お金持ちになったら最初にやるのが買い物だ。服や時計だけでなく高級な家具なども対象になる。写真は中国人観光客の“爆買い”の様子。「華僑はお金持ちになると、まず女性と遊びます。次にきれいな女性を連れて旅行に出かけて、たくさんの買い物をするようになります。日本の観光地で人気なのは北海道のニセコで、シンガポールなどの富裕層は雪を見に来るんですね。これは次の“体験”ともつながる行動です」(冨田さん)

「爆買いフェーズの後期で多くのお金持ちは、別荘や大型クルーザーを保有するようになります。こうしたものを買うころには、見栄以外の理由がちゃんとできていて、それは大きく分けてふたつあります。

ひとつは、普段とは違う気分が欲しかったりするためです。大金持ちはこういう“体験”をとても大切にしています。もうひとつは別荘やクルーザーでは、親しい人だけを招いたり、これから仲良くなりたい人をもてなしたりできる。しかも人目を気にすることなく、です。こうして富裕層はクローズドなコミュニティをつくっていくのです」

お金を持っているというだけで多くの危険人物が寄ってくるのだから、信頼している人とだけ付き合いたいと考えるようになるのだ。

「著名人の講演会に行くとわかりますが、講演後に挨拶に行くと、とても無愛想な対応をされることがあります。あれはご本人がそういう性格だからというよりも、気安い人だと思われるとそこに付け込む人がいるからなんです。一度親切にしただけで、知り合いだと言って自社の取引先に営業に行かれたり、単純にものすごく付きまとってきたりと、とても面倒なんです。ひとりでもそんな人がいると疲弊しますから、大きなリスクなんです」

冨田さんはこうまで言い切る。

「どういう育ち方をして、どういう経験をしてきて、どういう人と付き合っているかで、人としての深さは決まります。育ちだけは過去のことですからコントロールできませんが、経験と人付き合いはすぐにでも変えることができますよね」

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