ポスト・イット、小学生を攻める 住友3Mとベネッセがコラボ、「ふせん」新製品

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これは、立命館小学校校長などを歴任した、深谷圭助・中部大学准教授が発案した、国語事典で調べた語句を付箋紙に記して貼っていくという学習法に使われるもので、すでに全国の多くの小学校で導入されている。「学習面でのポスト・イット製品の利用法はまだ掘り起こせる」と諏訪部氏は考えていたという。

ただ、教育の現場で実際にどう使うかとなると、住友3M単独で考えるには限界がある。そこで協力を求めたのが、30年以上にわたって「進研ゼミ小学講座」をはじめ小学生の家庭学習をサポートしてきたベネッセだ。ベネッセの「進研ゼミ小学講座」は、全国の小学生の4人に1人が受講しているほど規模も大きい。そこでの経験が商品開発に役立つのでは、と考えたのだ。

ベネッセは「小学生にブームを起こしたい」

一方のベネッセにとっても「まさに渡りに船だった」と、同社・家庭学習事業本部小学生事業部セクションリーダーの五木田隆(ごきた・たかし)氏は打ち明ける。「自社の小学講座の規模と密度を生かし、小学生の生活全般にわたって話題になるようなものを提供したいと考えたときに、住友3Mから提案があった」と五木田氏は振り返る。

五木田氏はさらに、「ポスト・イットなど付箋紙を使うことに対して、小学生の間でブームを起こせるのではないか」と考えたという。

住友3Mの調査では、小学校での付箋使用率は45%以上、特に6年生では約50%が使っているという結果が出ている。この現状に、「授業でも使いやすく子どもたちの理解を深める機能を付けると同時に、デザイン面など子どもたちが使いたくなるようなポスト・イットを開発すれば、家庭学習での利用者を掘り起こせるのではと考えた」(五木田氏)。

そのため、「楽しく学ぶふせんシリーズ」では、「デザイン面でも小学生が理屈抜きで楽しめるようなものにした」と、前出の住友3Mの諏訪部氏は強調する。

住友3Mが行った同調査では、授業で付箋紙を使うと答えた教員のうち、最も使うとした教科は国語で、次いで算数(数学)となっている。

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