ポスト・イット、小学生を攻める 住友3Mとベネッセがコラボ、「ふせん」新製品

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国語用を想定した「ふきだしふせん」

たとえば国語では、生徒に意見を付箋紙に書かせて、プリントやノート、教科書に貼らせるためのツールとしていちばんよく使われ、以下、辞書引き学習で使う、教科書やノートの大事なページに目印として貼られるという使い方が上位に並んでいる。

また算数では、教科書やノートの大事なページに目印として貼らせるという指導が最も多く、次いで生徒に意見を書かせてプリントやノート、教科書などに貼らせる学習法が多いことが判明している。

筑波大附属小で編み出された活用法は

実際に今回の新製品を使用した筑波大学附属小学校では、国語用の「ふきだしふせん」については、登場人物の気持などを書き出すために使い、「とうめいふせん」については、理科や社会で教科書の写真や図をトレースできて内容の理解がより進む、というメリットがあるようだ。

同小学校によると付箋紙は、グラフなどの統計資料から読み取れる考察や実験結果などの事実を児童に書かせ、黒板に貼っていく学習などで使われ、こうすることで視覚的にもわかりやすく、楽しみながら授業を進めることができるという。また、付箋紙に考察を書くことで表現力も養われるようだ。

また同小学校の教員は、児童の宿題ノートには間違った箇所に付箋紙を貼って返却し、修正したノートを再提出させることもあるという。再び間違えるとまた付箋紙が貼られるため、児童は付箋紙がなくなるように学習に真剣に取り組めるようになるという効果もある。1枚の付箋紙でも、多くの利用方法がありうる。

住友3Mでは今後、ベネッセと共同でさまざまなマーケティングを実施し、普及に力を入れる計画だ。教育現場では現在、さまざまなIT機器を駆使した学習法が展開されているが、付箋紙といったアナログのよい部分は積極的に取り入れたいという教育現場からの声も多い。両社がタッグを組むことで、付箋紙の新たなユーザー獲得が進みそうだ。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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