「上から目線」面接で逃げられる、残念な会社 採用難でも、まだズレた対応をする人が…

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たとえば、ある外資系のメーカーでは中途採用で人材を採用するまでに人事部以外で10人以上の面接をする必要があります。あるいは人材紹介会社から紹介された人材に対して面接の可否判断で2週間というケース。最終面接した人材の入社判断は、経営会議の承認が必要なので、長いと2カ月以上を要する専門商社。

採用プロセスに時間がかかるのは、社内の合議によって納得性の高い採用を目指すためなのでしょうが、待つ立場にすれば「長すぎる」と感じるのは否めません。

ちなみに採用プロセスが長い、面接回数が多いことは、人材紹介会社からの紹介が少なくなる要因といわれています。人材紹介会社は応募者が入社して、その手数料を商売にしていますから「プロセスが短い」「面接回数が少ない」会社に対して、積極的に紹介をするようになりがち。なので、そもそも応募者の母集団形成が難しいうえに、さらに辞退も増えることになれば、人事部は頭を抱えるしかありません。

役員や部門長による上から目線な面接

そして、もう1つが面接官による「勘違い対応」です。何とか当社に入社してほしい……と考えた人材に対して人事部は、

「うちの会社は風通しがいいよ」

「時間をかけて人材を育てる社風です」

と、入社意欲を高める仕掛けを面接の中でも行います。つまり、面接を「選考」ではなく「くどき」につかっているのです。ところが、人事部から現場の部長や役員による面接になったら状況が変わり、

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「君がどうしても入社したいのなら、その情熱をみせてください」

「すぐに結果を出してほしいのだけれど、自信はありますか?」

と、言葉づかいこそ丁寧ですが、上から目線で選ぶ立場を示すような面接を行い、人事部の努力が無になるケースがたくさんあります。

人事部は書類選考後、通過者への連絡を早くするとか、面接日程を複数日程送り、選択できるようにするなど転職希望者に対するコミュニケーションスピードを速めて、面接を速やかに設定できるように工夫をするようになりました。でも、上から目線の選考が加えられると、すべてが水の泡になる可能性があります。

そうならないために、人事部は役員や部門長など最終選考に近い場面で登場する面接官に対して、採用環境の厳しい状況を改めて伝えることに加えて、選考はするものの、応募者に対して、

・会社のいい印象を刷り込む

・入社意欲を高める動機形成をする

ことを前提にした立ち居振る舞いをするよう、理解を促すことが重要ではないでしょうか。仮に選考でNGだとしても、最終選考に残るくらいの人材はその後、ビジネスでかかわる可能性があります。上から目線ではなく、ホスピタリティを示して、いい関係を構築することを徹底させたほうが、ずっと合理的です。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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