就職活動で話を平気で「盛る」学生の言い分 キツネとタヌキの化かし合い…?

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内定はゴールではない。嘘でゲットしても、入社後に自分が困ることにもなりかねない(撮影:写真部・堀内慶太郎)
面接では学生が競って嘘をつき、話を「盛る」。それが「当たり前」なのだという。「だって、企業も嘘つきだから」と学生たち。そんな化かし合いは、やめにしませんか。

「嘘、いっぱいつきました」

満面の笑みで語るのは、国立大学の理系大学院を今春卒業し、大手メーカーに就職する男子学生。面接では、1年でやめたサークルやバイトを3年続けたことにして忍耐力をアピール。志望動機も「でっち上げ」で、すべての会社に同じものを出した。

有名私立大学からIT企業に就職する男子学生は、嘘エピソードを語り出すと止まらない。

「サークルで先輩の代がインカレのベスト4になったことを、あたかも自分たちの代のことのように話しました。どんなに頑張ったことでも、1回戦敗退じゃ説得力がないですから」

レッスンコーチのアルバイトでは人気がありすぎてクラスが増設されたことにしたし、授業でリポートを書いただけなのに、本格的な論文を書いて学園祭で発表したことにしたという。

実績盛りにキャラ変

就活サイト「キャリタス」を運営するディスコが2016年に就活をした学生に行ったアンケートでは、回答した学生1129人のうち74.1%が「就活で嘘をついた経験がある」と答えている。前年の68.2%から6ポイント近く増加。調査を担当した武井房子・キャリタスリサーチ上席研究員はこう話す。

「一番多いのは『第1志望じゃないのに第1志望と言った』ケース。内定のためにはやむを得ないという感覚でしょう。『これくらい盛ったら受かった』という経験談がネットで広まるせいか抵抗感がなくなっています」

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