コーヒーとクラシック音楽の深すぎる関係

18世紀はコーヒーハウスがライブ会場だった

「ツィマーマンのコーヒーハウス」に込められた意味とは?(写真 : ララ / PIXTA)
1000回のキスよりもすばらしく、マスカット・ワインよりも甘い。
ああ、コーヒーはなんておいしいのでしょう。
1日3回、カップ1杯のコーヒーを飲ませてくれなければ、
私はがっかりして干からびた山羊の焼肉みたいになってしまいますわ

バッハの音楽会へタイムスリップ

この詩は、ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685―1750)の「コーヒーカンタータ」で歌われる歌詞の一節。コーヒー好きのバッハが書いたこの作品からは、知られざるバッハのすてきな一面が垣間見られてとても興味深い。これを体験させてくれたのが、去る6月11日から18日までの1週間、調布の街を彩った「調布国際音楽祭」だ。

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5回目となる今年は、音楽祭のタイトルに“国際”の文字が加わり、気鋭のデザイナー平野敬子による新たなエンブレムを掲げての華やかな開催となったことが印象的。そしてこの音楽祭最大の特徴は、日本が世界に誇る古楽アンサンブル「バッハ・コレギウム・ジャパン」がその中核に存在することもさることながら、音楽祭のエグゼクティブプロデューサー鈴木優人による、“ここでしか味わえない”優れた企画の数々にある。

“ここでしか味わえない”とは、なんとすてきな言葉だろう。音楽はもとより、時代の趨勢は、すべてこの言葉にひも付けられているようにも感じられる。まさしく人は“ここでしか味わえない”ポイントに集まるのだろう。そして、今回の“ここでしか味わえないコンサート”の中でもひときわ目を引く企画が、バッハの時代の音楽会を再現した「ツィマーマンのコーヒーハウス」だったのだ。

一見クラシックとは何の関係もなさそうなタイトル「ツィマーマンのコーヒーハウス」に込められた意味の深さと面白さはまさに破格。コーヒーにまつわる当時の状況と、その時代の真っただ中で活躍した作曲家バッハのすごさを改めて認識させられる公演内容なのだ。というわけで、早速バッハが活躍したコーヒーハウスの音楽界へとタイムスリップしてみたい。

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