「環状交差点」の走行ルール、知っていますか 意外と知らない関東の「変わり種道路」3選

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地図上には、清水峠から先も、大烏帽子山方面をぐるっと回りながら南魚沼市の清水の集落方面に下りていく国道が記載されているが、この清水峠の少し先からの新潟県側の区間は、現在、実際にはやぶに覆われた廃道になっており、通行不能な状態だ。

清水峠から清水の集落に下りて行くには、「居坪坂(いつぼざか)」と呼ばれる別ルートを歩かなければならない。

このような状況になっている理由は、下記の歴史によるという。

古くから清水峠は、西側の三国峠とともに関東と越後を結ぶ重要な道だったが、江戸時代は、主に三国峠越えの三国街道が利用された。

明治になり、清水峠越えが越後への最短ルートであることから再度注目され、馬車も通行可能な道路として整備されることになった。

道幅を確保するための石積を築造するなど、当時の土木技術を駆使して工事が進められ、明治18年に完成し、国道の指定を受けた。

ところが完成後間もなく、豪雨による土砂崩れや、豪雪地帯特有の雪崩により、道路が崩壊。結局、清水峠ルートは、完全な修復が行われないまま放置されたのだという。

さて、点線国道を見学に出かけるなら、自動車であれば谷川岳ロープウェーの駅付近の有料駐車場を利用するのが便利だ。鉄道利用の場合は、駅舎から338メートル462段の階段を下りなければ、下り列車のホームにたどり着けない“日本一のモグラ駅”の愛称で親しまれている、上越線の土合駅が最寄り駅となる。

ロープウェー駅から、点線国道の始点である一ノ倉沢までの3キロほどは、一般車両は通行止めになっており、徒歩のほか、珍しい「電気バス」が、日中1時間に1本ほど運転されているものの、定員が8人のため先着順だ。

なお、もし清水峠を越えて新潟県側まで徒歩で抜けるなら、かなりの時間がかかるし、途中、倒木や崩落が発生している箇所もある。登山用の装備と計画、それに十分な情報収集を心掛けていただきたい。

音響道路「メロディーライン」

道路に小さな溝を連続的に作られたメロディーライン(筆者撮影)

次も群馬県からの話題だ。関越自動車道を渋川伊香保ICで降り、伊香保温泉郷から、群馬県道33号「渋川松井田線」を榛名湖方面に向かって走る。

つづら折りを抜け、長い直線道路に入ってしばらくすると、「榛名湖メロディーライン」という立て看板があり、ある地点に差し掛かると約280メートルにわたり童謡の「静かな湖畔」が流れるのだ。

初めて通るときには、何が起きたのだろうと驚くかもしれない。

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